ウイスキーラヴァーの日常

シングルモルト、ウイスキー好きのサラリーマンが、ウイスキーを通じて感じたこと、思ったこと、考えたことなどを綴るブログです。

MOON GLOW(ムーングロウ) 10年

 

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MOON GLOW
Aged 10 years
Blended Whisky


評価:A+
香りはナッツ、バタークッキー、オレンジ、しっかりとした麦芽、水飴、少し焦げ感のある樽感、グレーンの甘味。
飲むと麦芽の甘み、オレンジ、ローストしたナッツ、軽い焦げ感、レモンクリーム、うっすらとしたピート。

 

富山県砺波市にある北陸唯一のウイスキー蒸留所、三郎丸蒸留所。クラフトウイスキーブームやクラウドファインディングなどから新規蒸留所と思われている方もいそうですが、1952年より続く歴史のある蒸留所で、このブログでも何回かご紹介させていただいています。今年より銅製のポットスチルへの切り替えも行っていますし、今後も設備導入などを行っていくようで、PJの稲垣さんと面識があることを差し引いても、個人的に今後が楽しみな蒸留所の一つです。

ウイスキーの仕込みは日本酒の仕込みをしない夏場のみに行うため、今年の仕込みはもう終了したとのこと。こういう合間を利用した仕込みは、江井ヶ嶋酒造と似たところを感じます。

さて、今回のMOON GLOW 10年はその三郎丸蒸留所限定で販売されたウイスキーで、ラベルには若鶴酒造らしく鶴のイラストが印象的です。今回は若鶴酒造の関連会社が経営しているモルトバー、ハリーズ高岡さんでいただきました。ハリーズさんで前々から飲みたかったのですが、やっと伺えたときでも諸事情で飲めないことが多く、念願の来店でした。

いただいてみるとモルティさやナッツ、水飴っぽい甘みに少し焦げ感や熟成感を感じることが出来ます。バランスの良いモルトに、嫌味にならないように三郎丸原酒を上手くブレンディングしているように思います。元々ピート原酒での仕込みにステンレス製のポットスチル蒸留、オールマッシュ…といった独特の仕込みで蒸留された原酒ということもあり、そのままのシングルモルトでリリースしても美味しいものは当然あるんですがが、このようにブレンドのアクセントとすることで、裾野を広げたり、長期熟成のモルトを上手く活用しているように思います。

話を聞いてみるとブレンデッドといいつつもモルト比率はかなり高いようで、グレーンはむしろチグハグ感が出ないための役割として使われているような印象でした。今後発展していくであろうジャパニーズクラフトウイスキー分野、このようなリリースも極力頂きたいものです。

 

※11/18追記

酒屋でも販売されたそうですので、タイトルから蒸留所限定の表記を削除しました。