ウイスキーラヴァーの日常

シングルモルト、ウイスキー好きのサラリーマンが、ウイスキーを通じて感じたこと、思ったこと、考えたことなどを綴るブログです。

ブナハーブン 18年 OB 46.3%

f:id:giny:20170303090109j:plain

 

評価:A++
香りはややわざとらしいチェリー、キャラメルマキアート、ナッツのシロップ、シナモン、じっくり煮詰めたアップル、プルーン、梅の塩漬け。
飲むとリッチでフルーティー。ココアパウダー、レーズンやプルーン、しっかりとコクのある麦感、ブリニー、余韻は塩気やビターチョコレート。
 
ブナハーブンのオフィシャル、18年です。
ブナハーブンの歴史については前回の記事を参照いただくとして、現行の蒸留内訳についてまとめていきます。
基本的にブナハーブンはアイラ唯一のライトピーテッドと言われるのは有名なところかと思いますが、実際の数値で言うと2-3ppmとかなりピートの少ないボトルになっています。80年代後半~90年代前半にも時々ミディアムピーテッドのボトルなどが見られることもありますが、その生産量はかなり少ないと思われます。本格的にピーテッドタイプが出てくるようになったのは1997年蒸留のもので、35-40ppmのヘビーピーテッドタイプを試験的に蒸留し始め、2004年に6年物をmoine(モンニャ、モーニャ;ゲール語でピートの意)としてアイラフェスで発売した経緯があります。
2003年以降は毎年ピーテッドタイプを作っており、全体の10%程度を占めるようですね。ブナハーブンというとシェリーなイメージですが、実際はシェリー樽は10%程で、90%はバーボン樽と、意外にも少なく思えます。
 
さて、このブナハーブン18年ですが、他のOBよりもシェリー樽比率が高いのが特徴と言えそうです。40%程がシェリー樽、60%がバーボン樽という贅沢な比率でブレンディングされている通り、香りからはシェリー感が漂います。
開けてすぐはチグハグな香りでしたので、1ヶ月ほど待ってやや一体感が出てきたところでテイスティングしてみましたが、ドクターペッパーやチェリーコーラのようなややわざとらしいチェリー感や、キャラメル飲料のような甘味とコク、甘味やオイルをしっかりとまとったナッツやシナモンパウダーなどの香味が広がり、オフィシャルのシェリーのブナっぽい作りの味です。ボトラーズではシングルカスクが多く、こういう香味はあんまり出てこないので、ヴァッティングの妙なのでしょう。
飲んでもフルーティーさと甘味がしっかりと感じられ、潮っぽさを感じながらも一体感があり、中々完成度の高いボトルに仕上がっています。ブナ好きなら飲んでおきたい一本と思います。
 
このボトルについて最後に2つほど。これに限らずなんですが、バーン・スチュワート社の発売するオフィシャルは46.3%にこだわっており、カスクストレングスなどの数値ではなく、調整でこの度数にしているということ。
上のテイスティング写真では度数が見えませんでしたので、下にも貼り付けておきます。
また、ブナハーブンは正規取扱がアサヒですが、18年に関しては正規輸入品がなく、並行輸入品しかないところも残念なところです。自分の住んでいる片田舎ではブナハーブン12年すら売っている酒屋がありません。あまりにも悲しい現実ですが、ブナ好きとして普及に努めたいと思います。笑
 

f:id:giny:20170303090900j:plain