ウイスキーラヴァーの日常

シングルモルト、ウイスキー好きのサラリーマンが、ウイスキーを通じて感じたこと、思ったこと、考えたことなどを綴るブログです。

ウエストランド ピーテッド 46%

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評価:A
 
香りは円熟で、草やお香を燻したような、オリエンタルさを感じるピート、スモーキー、若いが角の取れたハスクのような麦芽、淡いグラッシー。
飲むと口当たりはまろやかで、独特の枯れ葉や烏龍茶などの茶葉のニュアンスを伴うピートに、麦のしっかりとしたコク、ホッピーなラガービール、余韻はスモーキーで長め。
 
アメリカ、ワシントン州シアトルに蒸溜所を構えるウエストランド。2010年に設立したばかりの蒸溜所ですが、2016年のICONS OF WHISKYではクラフトプロデューサー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど世界的に評価上々です。
アメリカでは空前のウイスキーブームらしく、小規模の蒸溜所、マイクロディスティラリーの設立が流行っているようです。ビール界隈ではマイクロブルワリーのクラフトビールやクラフトサイダーが大流行していて、日本でもブルワリーがたくさん出てきていますが、アメリカではマイクロディスティラリーも数百あるとのことですから驚きです。日本でもマイクロディスティラリー設立が流行していますが、どうやらその比ではないようです。
 
さて、実際に日本でも購入できるクラフトウイスキーとなると、恐らくスコッチモルト販売さんが輸入しているWESTLANDとKOVALさんが有名かと思います(KOVALさんなんかは日本人が働いているようで、名古屋でもいらしてましたね)。
 
 
ウエストランドに関する説明はスコモルさんの公式HPがありますので、そこを見ていただければわかるのですが、ピートまで取れるというのは驚きですね。

http://scotch-malt.co.jp/westland

 

さて、普段はスコッチ時々ジャパニーズやアイリッシュを飲む自分ですが、この前某酒屋さんが「ウエストランドのギャリアナはまあまあ美味しいですよ」という情報をくださり、またネット界隈でもピーテッドはまあまあ美味いといった話もあったので、試しにと思って飲むことにしました(たまたまサンプルあったんですよね)。
 
まずはノージングからですが、香りからは草やお香を燻したようなピーテッド感がかなり特徴的です。とある過熟のミズナラを飲んだときの香りに若干似ており、オリエンタルと表現してしまいましたが、客観的にはあまり感じないかもしれません。どちらにしても独特の香草感を軽く感じるピートに、かなりのモルティさです。あまりにモルティで麦芽をそのまま嗅いでいるような感覚や、某社のホップが大量に入ったクラフトのラガービールのような、ビールっぽいモルティさも感じられるのが面白いモルトです。宣伝通り短期熟成とは思えない熟成感で、角が取れて美味しく戴けますし、確かに人気が出るのもわかります。
 
宣伝ではアイラモルトのようと形容されていますが、流石にそれはないだろうとは思います。まずはピートのニュアンスがアイラっぽくないですし、なんならスコットランドのピートはもっとヘザー感の強い青草感と思いますが、このウエストランドはお香のようなニュアンスや、若干烏龍茶のような茶葉っぽさを感じます。また、ピートがそこまで強くないので、アイラのピートの代用品として飲むとがっかりすると思います。
 
このウエストランドに限って言うなら、駒ケ岳が結構近い熟成感と思います。短期熟成らしく複雑さはあんまり感じられなくとも、しっかりとしたモルティさで短期で仕上げてくる美味しいモルトでした。