オーヘントッシャン 1990-2016 26年 モリソン&マッカイ セレブレーション・オブ・ザ・カスク スコッチモルト販売 プライベートボトル 53.9%
Auchentoshan 1990-2016 26 year old
Morrison & Mackey "Celebration of the cask"
cask type:Hogshead, number:#4971
Alc:53.9%
評価:A+
香りはフルーティーでオイリー。オレンジ、ホットレモネード、バニラキャンディ、クリーム。
飲むとしっかりめの麦のコク、樽のタンニン、松ヤニ、月桂樹やユーカリの葉、マカダミアナッツ、少し紙っぽさ、余韻は長いウッディネス。
スコッチモルト販売のプライベートボトルとして最近リリースされた、モリソン&マッカイのセレブレーション・オブ・ザ・カスクシリーズより、オーヘントッシャンの1990年です。
オーヘントッシャンは、諸説ありますが1817年にジョン・バロックによって設立されました。当時はダントチャー蒸留所という名前だったようですが、22年に倒産、23年にはバロックの息子が買い戻しましたがまた26年には破産、34年にはバロック社のジョン・ハートとアレクサンダー・フィルシーに買収され、オーヘントッシャンという名前にリネームされます。その後も様々なところに所有権が写っていますが、1984年にモリソン・ボウモアが買収、その後サントリーが資本介入を始め、94年にはサントリーが資本となっています。買収前にも、88年からの資本介入、ボウモア蒸留所には89年頃から蒸留所の清掃などの介入が始まったと言われており、オーヘントッシャンもそれくらいから介入し始めたと聞いたことがあります。
モリソン・マッカイはそのモリソン家のブライアン・モリソンとケニー・マッカイが設立したボトラーです。ケニー・マッカイ氏はこの前来日されていたようで、こんな記事がありました(丁度このボトルの特設ページになっていますね)。
イベント :: 特集 :: ● モリソン&マッカイ社が誇るプレミアムレンジ「CELEBRATION OF THE CASK」
上のページにも書いてますが、現在蒸留所を建設中で、もうすぐ稼働するとのことです。同社はモルトの栽培も行っており、フロアモルティングなどもやるのでしょうか?気になるところです。
このボトルがリリースされたときは正直驚きました。モリソン&マッカイはウイスク・イーが輸入代理店を行っていますが、今回はスコッチモルト販売が輸入し販売しています。複数のインポーターが関与していることはよくありますが、にしても珍しいような気がします。まあ、昨今のボトラーズの樽の枯渇具合は半端じゃないという話は聞いていますので、特別なコネクションがなければ、ボトラーは単純に体力勝負となっていくのは自明ですし、恐らくそういう事情もあるんじゃないかと勘ぐってしまいます(あくまでも自分の感想というか妄想です)。どういう事情があれど、日本で良質なボトルがリリースされることは歓迎ですし、どんどんやってほしいと思います。
さて、このボトルですが、先週受けたスコッチモルト販売のセミナー・テイスティング会とサンプルボトル、何度か戴く機会がありました。サンプルボトルは最初硬い感じがありましたが、開いてくるとセミナー時に飲んだ感じと近くなってきました。ローランドらしい軽い原酒にフルーティーなニュアンス。紙っぽさもありますが自分が嫌味に感じるほどのものではありませんでした。少し松ヤニのニュアンス、ホットレモネードやバニラキャンディのようなニュアンスもあり、オーヘントッシャンらしい出来だともいます。
以前記事にしたオーヘントッシャンも程よいシェリーで自分好みなのですが、ローランドらしさ、オーヘントッシャンらしさを味わうのであれば、今回のボトルは非常にわかりやすくてお勧めな一本です。さすがのリリースだと思います。金銭面に余裕があれば一本ほしいところですが、自分なら店でたまに飲んで、らしさを確認したり、やっぱりこうだよなあと感じられるような飲み方をしてみたいです。malt.hateblo.jp