ベンリアック OB 1985-2011 26年 for Shinanoya H/H
フルーツケーキのような香味にピートもあり、こいつは美味しかったです。
評価:A++
香りは、パンケーキ、フルーツタルト、柿のクリーム載せなどのデザートのような香り、青リンゴ、ピート。味はオレンジ、アップル、洋梨などのタルトから、プラム、アプリコットが広がり、その後ピートを感じる。余韻は長く心地よいタンニン。
信濃屋さんが2011年にリリースした、プライベートボトリングのベンリアックです。香味からはおそらくバーボンホグスヘッドと思われますが、パンケーキやフルーツタルトなどのデザートを感じさせる香りや味わいに、ピートが広がってきて、美味しくいただけました。
このボトルは何度か飲んでいますが、口開けは固く、ピーティでバニラ感が強いベンリアックの印象が強かったですが、2ヶ月位の放置でかなり広がってきた印象です。ゆっくり頂きたいモルトでした。
さて、ベンリアックについて軽くおさらいしておきますと、ベンリアックは結構数奇な経過を辿っており、
- 1898年、隣接するロングモーンと同時に操業するも2年で操業中止
- 1965年、グレンリベットに買収され蒸留再開。シングルモルトのリリースはなし
- 2001年、ペルノ・リカール社に
- 2004年、元マスターブレンダーのビリーウォーカーと南アフリカの共同出資で、ベンリアックディスティラリー社を設立、グレンドロナック、グレングラッサとともに独立。その後シングルモルトとしてのリリースがスタート。
- 2016年4月、ジャックダニエルなどを経営するブラウンフォーマン社が買収
といった、中々な流れだと思いますが、問題は経営が変わることで今回のようなシングルカスクが出回らなくなるんじゃないかという懸念です。また、今まではウイスク・イー社が代理店でしたが、ブラウンフォーマン社はアサヒの取扱というのも気になるところです。風のウワサでは、来年あたりからドロナックのシングルカスクがリリースされなくなったり、ベンリアックも例外ではないんじゃないかという話も聞いたことがあります。あくまでも噂であり、ここらの蒸留所が好きな方はすでに対策済の話だとは思いますが、今後の動向が気になるところですね(まあ、ベンリアック社が良い樽を全部売ってしまった可能性が高そうなので、体制がどうであれ早かれ遅かれリリースされなくなるとは思いますが)。