グレンキース 1988 モリソン&マッカイ ビクエスト 42.1%
CARN MOR BEQUEST
Glen Keith 1988-2017 28 year old
CASK BOURBON BARREL
Alc: 42.1%
#26685, 226 bottles
評価:A++
香りは桃、梨、ハニーシロップ、レモンクリーム、穏やかな麦、華やかな樽香。
飲むとライトボディ、香り通りの桃や梨の果実、バナナオレ、バニラ、穏やかな麦のコク、引き締めるような樽感。
開けたてだが十分なフルーツ感があり、時間経過で開いてくる。
モリソン&マッカイ、カーンモアのビクエストシリーズより、グレンキースです。モリソン&マッカイといえば、モリソン・ボウモア取締役のブライアン・モリソンとキーパー・オブ・ザ・クエイクを受賞しているケニー・マッカイがパースシャーに開いたボトラーズですが、現在は蒸留所の建設やモルト栽培なども行っているとのことです。ケニーの息子のピーターがウイスキーの生産工程を専門としているそうで、おそらくピーターが主導となっていそうですが、蒸留は無事開始されているのでしょうか?その後の経過は気になるところです。
さて、様々なボトルをリリースされているモリソン&マッカイですが、今回のビクエストシリーズは2年ほど前にリリースされた新シリーズだったと記憶しています。長熟のプレミアムレンジのブランドとしたいのかなと想像します。今回は日本向けのリリースのようですが、南国フルーツがあるとのことでそうそう話題になっているボトルではないでしょうか。
28年でかなりの度数落ちのボトルで、かつバーボンバレルというスペックですが、よく行くバーで開いたのでいただきました。意外にも嫌味はなく、開けたてから桃や梨といったフルーツ感があり、中々楽しめるボトルでした。度数はかなり落ちていますが、開けたてのせいか飲みごたえがあり、美味しいボトルです。
おそらく時間経過で溶剤っぽさやちょっときつめの樽感などが出てくる可能性があると思われ、個人的には開けたてのほうが自分の好みな気がします。個人的流行とちょっと違うのですが、まあそれは好みの問題ですので、グレンキースや昨年リリースされたBBRのスペイサイドが好きな人などにおすすめな一杯だと思います。
グレンバーギー 1992 24年 57.8% アベイヒル モルトヤマ3周年記念ボトル
Glenburgie 1992-2016 Aged 24years
Abeyhill for MALTOYAMA 3rd ANNIVERSARY PRIVATE BOTTLE
Hogshead #3441
Alc:57.8%
評価:A++
香りはバニラビーンズ、ハニーシロップ、パンケーキ、桃、メロンやチェリー、糖度の高いオレンジと厚みのある麦感。
飲むとハニーシロップやバニラ、オレンジ、桃の缶詰、しっかりとした麦のコク、少しミントやスパイス、余韻はやや強めだが嫌みのない樽感。
北陸は富山にあるとやま健康生きがいセンター。その社長の下野さんが大のモルト好きで、酒販免許を取得し、とやま健康生きがいセンターに酒販部を作りシングルモルト専門店としてネット販売を始められたのがモルトヤマの始まりと伺っています。4年前の出来事のようですが、今回は昨年リリースされたグレンバーギーの紹介です。
1年ほど前に富山での飲み会にて3周年記念のマクダフを振る舞っていただいたのが2016年10月、その次の月にリリースされた第2弾としてリリースされたボトルです。ボトラーはアベイヒル、確かキングスバリーの関連会社だったと記憶しています。最近アベイヒルからのリリースはあまり見ていませんが、キンコーさんなどPBでお見かけする印象です。
バランタインの主要原酒として有名なグレンバーギーですが、自分は結構好きな銘柄の一つで、ハニーシロップのような甘みやフルーティーさが特徴のモルトだと思います。これもその印象通りオレンジや桃の缶詰のような、果糖やエステリー感が楽しいモルトです。結構コクもしっかりとしていて、飲みごたえのあるボトルです。
リリース直後は割と生木っぽさが目立っていていましたが、時間経過でかなり抜けてきており、アクセントとして美味しく感じるレベルになっています。下野さんとお話した際、当初はサンプルにはなかったオークのニュアンスがあったが、放置するとだいぶサンプルっぽくなってきたと言っていた記憶があります。
中々家のボトルは抜けるのに時間がかかっていましたが、今飲むと多彩なフルーツ感やコクの有る麦感が美味しい、良い熟成感を味わえるボトルだと思います。ゆっくりしみじみと味わっていきたいですね。
そういえば、数か月前に海外のブロガーさんが、このボトルを「日本のkawaii文化の象徴のようなボトル」と評していました。一部でラベルで誤魔化そうとしているんじゃないかといった意見をしている方もお見受けしましたが、少なくともこのボトルはナイスチョイスだと思いますし、日本で色々出ているPBは、全てとはいいませんがかなり苦労されて引っ張ってきている樽が多いと私は思っています。色んな所で話を聞くだけでも、そう簡単にコネクションは形成されないでしょうし、良いものなんて簡単に手に入らないのが現実のようです。そんな中妥協なく良いものをチョイスするのは、相応の苦労と覚悟が伴うんじゃないかと思います。そもそも樽買いだけで一回数百万~一千万近くのお金がかかることを想像すると、並大抵の覚悟じゃまず出来ないですよね。個人酒屋でPBを出すこと自体にも敬意を表したいです。
そういえば先日モルトヤマの第3弾PBがリリースされていました。もう完売してしまったようですが、こちらも楽しみです。
ハイランドパーク 2000-2015 シグナトリー for TWH 57.1%
HIGHLAND PARK 2000-2015
Signatory Vintage for THE WHISKY HOOP
15year old
Alc:57.1%
Matured in a bourbon barrel
評価:A++
香りはフローラルで軽やかな香り立ち。白い花、オレンジ、ホイップクリーム、バニラやハニーシロップ、なめし革やナッツ、ピート。
飲むと香り通りのフローラルやフルーツのニュアンス、麦のコク、オレンジピール、しっかりめのスパイスとピート。
そこそこ前のリリースになりますが、ウイスキー・フープよりリリースされた2000年蒸留のハイランドパークです。当時良質な樽でそこそこの価格、短熟だけどいい感じに樽感が効いている美味しいハイパが飲めると、界隈では結構有名になったボトルだった記憶です。この辺りやOMCのロングモーン2000など、良質な樽の短~中熟レンジでリリースする流れが多くなった気がします(不可抗力もそれなりにありそうですが)。
色々ありまして、久しぶりに飲みたいなという気持ちや諸々の事情で開けてみることにしました。
ハイランドパークらしいフローラル感や果実感、ハニーシロップやバニラなどのバーボンバレルで熟成されたニュアンスがあり、しっかりとしていて美味しいボトルでした。やや牛革っぽいニュアンスが目立ちますが、時間経過でこなれていきそうな感じがします。原酒と樽感が上手く混ざりあった、濃厚だけれど重すぎたり太すぎたりしない、バランスの良いボトルだなあと思います。
ハイランドパークのニューポットを以前飲んだことがありますが、ハチミツやサトウキビのようにかなり甘いニューポットなんですよね。もしかするとマスクされているフローラル感もあったのかもしれません。中々オフィシャルは高くて手が出ませんが、安定してハイクオリティのボトルを輩出してくれるハイランドパークは今後も楽しみですね。
アベラワー18年 43% オフィシャル
ABERLOUR 18 year old 43%
評価:A+
香りは桃、トフィー、チェルシーのヨーグルトやバタースコッチ。
飲むと蜂蜜、なめし革、針葉樹やベイリーフなどのハーブ。時間経過でスパイシーさが増す。
アベラワー地区にある蒸留所、アベラワーのオフィシャルボトルである18年です。ハイランドと表記されていますが、日本の分類ではスペイサイドに入ることが多いと思いますので、ここでもスペイサイドに区分することとします。
アベラワーといえばアブーナなど、シェリーカスクのシングルカスクを不定期でリリースしているペルノ・リカールの蒸留所、といったイメージでしょうか。集中熟成庫もあるようで、ペルノ・リカールの原酒の多くがこの熟成庫で熟成されているようです。
最近ですと、ウイスキーガロアで高得点をスコアしており、結構気になるボトルでした。バーボン樽とシェリー樽のバッティングとのことで、オフィシャルらしいバランス良い香味が支持されているようです。
結構飲んでいるのですが、何故か家のアベラワーはロット差なのか購入前の保存が悪かったのか、時間経過で針葉樹のようなニュアンスが強くなってきます。これさえなければ結構美味しいボトルなのに…とちょっと自分のところでは悪いところが目立つのですが、バーで飲んだときはそのような印象はなかったので、ハズレボトルを引いたのかもしれません。
個人的にこういう針葉樹のような強いウッディさがあるタイプのボトルは、濃いめのハイボールにするとスパイシーさが気にならなくなります。ウィルキンソンで1:1くらいにすると味は濃厚で嫌なニュアンスが目立たなくなって好きですね。このボトルはそういう飲み方をしばらくしていこうと思います。
宮城峡 2000's 蒸留所限定
Single malt "MIYAGIKYO" 2000's
57%
評価:A+
香りはバタービスケット、アプリコット、クランベリー、穏やかな麦感、なめし革。
飲むと少し荒い麦のコク、バニラ、プラムやクランベリーのグミ、シナモン、少し強めのウッディネス。
皆様大変ご無沙汰しております。
10月に入り職場が変わり結構忙しくなってきたのと、家にネットがつながっておらずすぐに速度制限になってしまうような日々を過ごしています。環境になれるまでは思いの外こんな調子が続いて行きそうですが、宜しくお願い致します。
さて、今回は5月のGWに行ってきた宮城峡の限定モルトを飲んでみました。以前もテイスティングしてましたが、半年ほど経ってだいぶ穏やかになりました。
プラムやアプリコットのような酸味を伴う果実感も程々に、甘くモルティな香味はバターたっぷりのビスケットやトフィーなどを連想させます。
熟成感はなく単調ですが、分かりやすい蒸留所のキャラクターを知るには十分良いボトルだなと再認識しました。スパイシーさが取れてきて、ポテンシャルがかなりでてきたような気がします。
余市、宮城峡といえばモスカテルウッド熟成のものがリリースされましたが、これも近々飲みたいなと思っています。中々休みが取れない生活になってしまいましたが、是非飲みに行きたいものです。
アバフェルディ 1991-2012 ゴードンアンドマクファイル コニッサーズチョイス
評価:A+
香りはハチミツ、バニラ、ハニーシロップ、黄色や赤い花の香り、クルミやピスタチオなどのナッツ、軽くローストした麦。
飲むとスパイシー、香り通りのハチミツ、バニラ、麦の甘み、クルミの渋皮、少しグラッシー。
大変永らくお待たせ致しました。引っ越しもまだ終わってはいないですが、何とかブログを更新するような時間が取れました。まだネットが開通していないのでちょっと大変ではありますが、何とか少しずつ再開していきたいと思います。
今回はコニッサーズチョイスより、アバフェルディです。
アバフェルディといえば、昨年はwhisky shop向けの1991や28年オフィシャルなどは大変話題のボトルだったのは記憶にあたらしいと思います。
前から持ってたボトルだったのですが、考えてみると同じ91ビンテージとのことで、そう言えばなーと思い出しました。一段落したので飲んでみることとしました。
香りはアバフェルディらしく良いのですが、飲むと時間経過で渋みが増していくこともあり、まあ値段相応と言えばそうなのかもしれません。ちぐはぐ感がなければ非常に美味しいんですが、価格を考えるとコスパは中々と思います。91の片鱗を感じられるような気がする、そういうボトルでした。時々こういうものでビンテージを確認しておくのも大事なのかもしれませんね。
トバモリー 1995 21年 メドウサイド・ブレンディング ザ・モルトマン 50.9%
評価:A+
香りは白い花、ハニーシロップ、チェリー、水飴、程よいクリーム。
飲むと若めのチェリー、ハニーシロップ、バニラ、粘性とスパイシーなニュアンス、少し削った木材、仄かにピート。
モルトマンよりトバモリー1995、21年熟成でのリリースです。
インナー・ヘブリディーズでスカイ島に次いで大きい島、マル島。西ハイランドの先端を切り取られたような形をしており、ハイランドで言うならアードナムルッカンやオーバンの近くにあります。マル島はリゾート地ですが、その北にあるトバモリーが島内の最大都市トバモリーで、その湾岸沿いに同蒸留所が建っています。
1993年にバーン・スチュワートによって買収され、シングルモルトとして販売できるようなモルトを製造する、と方針転換が図られたようです。熟成庫はあまりないため、蒸留所内に一部熟成させているほかは、ブナハーブンや内陸部の熟成庫で熟成されているといわれております。
トバモリーはピーテッドタイプを作っていることも有名で、これをレダイグと言います。今となってはトバモリーよりもレダイグのほうが良く耳にする単語かもしれません。今回は、このバーン・スチュワート買収後の1995年に蒸留されたものになります。
香味ですが、熟れていないチェリーやブドウの皮のようなニュアンスや、バーボン樽っぽいニュアンスがあり、結構良い出来に思います。トバモリーのカスクの中には、チーズのような酪酸様の香味を発するものもありますが、このボトルに関して言えば、そのような香味はあまり感じられませんでした。いいボトルだと思います。
ちょっと気になるのが、価格。13000円位なら喜んで買えるのになあ…と思ってますが17000円ほどするようです。とは言え、世界的に高騰している手前、今後この程度の価格は当たり前かもしれません。