クライゲラキ 1990 26年 ベリーズベスト for GINZA ZENITH 10th anniversary 48.4%
評価:S
香りはエステリーでオイリー、白桃、メロン、フルーツトマト、華やかな麦感、バニラ、コンデンスミルク、ワクシー、濃厚なバター、少し土っぽさ。
飲むとオイリーでエステリー、メロン、華やかで染み入るような麦の甘味と深いコク、非常になめらかな口当たり、フルーツピンチョス、生クリーム、少し余韻はスパイシーで長い。
最近リリースされました、銀座にあるバー・ゼニスさん向けのクライゲラキです。
1891年、当時ホワイトホース社のPeter Mackieが、ベンリネスやオルトモアのオーナーであった、Alexander Edwardととこも設立したのがクライゲラキです。Peter Macikeのおじはラガヴーリンのオーナーで、一族で当時のホワイトホースの構成原酒を確保できていたといえるでしょう。実際の稼働は1898年からで、デザイナーにはチャールズ・ドイグを迎えています。
その後1900年代に、Peter MackieはMackie & Companyとしてホワイトホースを相続し、ホワイトホースを牽引していったのですが、どうやらクライゲラキはお気に入りの蒸留所だったようで、年次総会はクライゲラキで行われていたようです。後にナイトの称号を授与されます。
1924年、Sir Peter Mackieの死後、社名をホワイトホース・ディスティラーとし、1927年にはDCLに買収されます。64-65年にはDCLにより拡張工事がなされ、2基のポットスチルが増設され、当時のカリラのような、所謂"Waterloo Street" designとなっています。
1998年、UDV社はクライゲラキなどの3つの蒸留所ををバカルディ社に売却、現在に至ります。長らくはブレンデッド向けへの出荷が多かったようですが、バカルディ社の方針転換もあり、2014年にはオフィシャルのニューリリースが行われ、13年・17年・23年が販売されています。
さて、今回のボトルですが、銀座のバー・ゼニスさんの10周年向けに詰められたボトルです。丁度少し前に発売された、ウイスキーファインドのクライゲラキ1990がかなりの高評価だったため、比較評価されているケースが多かった印象です。今回はBBRからのリリースでありますが、コーヒーミルラベルというレアなラベルでのリリースで、これだけでも中身の素晴らしさを彷彿とさせてくれます。今回やっと飲む機会に恵まれましたので、テイスティングしてみました。
メロンや桃のようなエステリーさやワクシーなニュアンスがかなりあり、高級脂肪酸などが豊富に含まれているのだろうと推察します。違う方がロックで飲んでいるのを見ましたが、白濁していましたね(自分はもったいなくて出来ませんでした…)。勿論スペイサイドらしい素朴な麦感も感じられ、複雑さ・陶酔感を覚える味です。元々クライゲラキはオフィシャル17年など、好きなボトラーズですが、これは格が違う、非常に滑らかで非常に美味しいゲラキでした。
ゼニスさん、お伺い出来ていませんが、周りの評判も良く、一度行ってみたいバーです。また、6/4にはウイスキーフェスでバカルディのセミナーがありますね。大変楽しみです。