ウイスキーラヴァーの日常

シングルモルト、ウイスキー好きのサラリーマンが、ウイスキーを通じて感じたこと、思ったこと、考えたことなどを綴るブログです。

コンバルモア 1981 ゴードン&マクファイル コニッサーズ・チョイス

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評価:A+
香り 少し枯れたニュアンス、コニャック、黒糖、カラメル、わずかにソースのようなコク。
飲むと優しいシロップのような甘み、スパイシー、ココアパウダー、強めの樽感。
 
G&Mのコニッサーズ・チョイスより、コンバルモアの1981年です。リリース年はわかりませんが、17年物などが同じようなラベルで販売されておりましたので、だいたいそれくらいのリリースでしょうか。
 
コンバルモアはダフタウンにあった閉鎖蒸留所で、1894年操業開始のものでした。1909年に火災に遭い、その後一時連続式蒸留機でモルトを製造していたようですが、出来上がったモルトがぜんぜん違うものになってしまい、1915年には撤去され、元のポットスチルに戻ったという経緯があるようです。今では常識的に思えることですが、当時のはやりに乗っかったのでしょうか。
1920年代~1930年代にDCL社やSMD社の傘下に入り、例によって1985年に閉鎖してしまいます。その後ウィリアム・グラント&サンズ社が買収し、現在は熟成庫として使われているところになります。
 
あまりたくさんコンバルモアを飲んだ経験はありませんが、飲むとコニャックのような、少し枯れたニュアンスを感じ、香りは甘い感じが漂いました。飲むと単調でスパイシーさが否めませんが、経年変化で見えてきたものかもしれませんね。こういうらしい枯れ感のあるボトルも、たまに飲むには良いなあと思います。
 

セント・マグデラン 1979 19年 レアモルトシリーズ 63.8%

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評価:A++

香りは素朴でしっかりとした麦、スミレの花、土をかぶった根生姜、少し砂糖、プレーンカスクの樽感、生焼けした木。
飲むとスパイシーでドライ。辛口のジンジャーエール、少しハーブ、香り通りの樽感。
 
1979年蒸留のセントマグデラン、19年です。レアモルトシリーズのおすそ分けを戴きました。
セント・マグデランとは1797年に、ローランドのリンリスゴーに設立された蒸溜所です。元々リンリスゴーは名水で知られ、Glasgow for bells, Linlithgow for wells~という古典の詩があるようです。SMD社の傘下に入ったりとしましたが、DCLからディアジオ系列になり、他のローランドの蒸留所のように、1983年に閉鎖となりました。
 
セント・マグデランはあまり飲んだ記憶もなく、おそらく2回めくらいの経験かと思いますが、飲んでみるとレアモルトらしい、素朴でスパイシーなモルトでした。素朴な甘味があり、嫌味も少なく良いモルトなんですが、個人的にはコレ系のモルトテイスティングを書くのが特に苦手で…その分ゆっくりと堪能させていただきました。
もう少し置いておくと開くのかもしれませんが、どうなんでしょう。グラスで置いておくと、ハーブや生姜のようなニュアンスが印象的でした。たまにこのようなプレーンで上質なモルトを飲むのもいいですね。美味しいモルトでした。

2017/4/20のクレイジージャーニーが凄すぎた件。

何かホイホイ的なタイトルですが、ホイホイタイトルで自分が伝えたい事がより多くの人に伝わるなら、まあそれで良いでしょう。

 さて、昨日放送された、クレイジージャーニーという番組の件です。

 モルトラバーの人にはもはや説明不要と思いますが、モルトを知らない人にも知ってほしかったり、逃していた人にもみる価値があるなと思い、記事にでもしておこうかなと思います。

敢えてリンクは張りませんが、検索すれば動画は出てくるようですね。

www.youtube.com

クレイジージャーニー、2015年よりダウンタウン松本人志さんらをメインとして、世界をめぐるクレイジーな人々を紹介して行く番組のようです。

 今回のゲストは目白田中屋の栗林幸吉氏。言うまでもなく日本を代表する酒屋さんです。サマローリを最初に引っ張ってきたのも栗林さんと伺ったことがあります。

栗林さんについて知りたければ、こちらのインタビュー記事が参考になるかと。

Whisky Concierge – ウイスキーコンシェルジュ 香りのある暮らし » Blog Archive » 単独インタビュー第13弾 2011年末特別企画 「目白田中屋 栗林氏を迎えて(1)」

自分はホームバーのマスターが「神様」と言っていたのをいつも聞かされており、今でも田中屋に行くと心拍数が上がる人間です。笑

 

まあそれは置いておいて、本当に素晴らしい内容でした。

以下ネタバレです。

 

 

 

 

 

 

 

今回のスコットランドツアーは、アイラ島をぐるぐる周り、アードナムルッカンに行くという計画。

まず、ボウモア蒸留所。こちらでフロアモルティングから蒸留までの工程を全部説明しています。地上波でこんなにちゃんと説明しているのが素晴らしいです!

フロアモルティングの映像がしっかりと映っていたり、そこに栗林さんの解説が入る…それだけでも贅沢な番組だなと思うのですが、とにかく栗林さんが嬉しそう。

お酒を飲んでハッピーになっている、作り手を見てハッピーになっている。

若干冷ややかな目で見る構成でしたが、目の前にある事象をみて、そこに感動し、その喜びを伝えられる素晴らしさってあると思うんです。栗林さんって地でそういうハッピーさを出す人なんだな、と、ちょっと自分は見る目が変わったほどでした。

 

その後、アードベッグラフロイグ、カリラを周り、キルホーマンに行き、ブルイックラディで占める。

ジム・マッキュワンが出ていたのには驚きでした。偶然なのか仕込みなのかわかりませんが、そんなのどうでも良くなる素晴らしさ。

次の日にはアードナムルッカンへ。

アデルフィの協力だったり、ウォッシュバックが特殊なことには触れていませんでしたが、それでも映像でアードナムルッカンが見れるとは思っていませんでした。

ニューポットも素晴らしいんでしょうね。樽を即買いされていてビックリしました。それでも100数十万で買えるのなら安いのかもしれません。俄然興味がわく蒸留所です。

樽に書いたサインは、恐らく“No Whisky, No Life”かなーと想像します。良い締まり方でした。

 

その後、スタジオで試飲。

数種類のテイスティングに、1963年のマッカラン

開けるきっかけを作っていただいて…という言葉が印象的でした。

最初に言っていた、「ウイスキーは時間を飲んでいる」「本では臭いとか音とかってわからない」「作り手の熱意を届けたい」という言葉や、1963のマッカランを「開けるきっかけを…」というように、お酒に対して敬意を持って接する態度には凄く感心しました。

こうやって、色々なモルトを飲む機会があって、色々な飲み手の方々と繋がる機会がふえましたが、本当にどうしてと思うのが、一流のモルト好きって素晴らしい人格者の方々が多いのか?としみじみ思います。くだらん感情に流されずに、目の前にあるモルトをもっと好きになれるように、またその奥にある人々により敬意を持てるような飲み方をしていきたいですね。

本当にいい番組でした!

 

 

ハイランドパーク 1967-2004 47.5% #10197

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評価:S+

 
 
香りはなめし革、しっかりとした麦感、取れたてのチェリー、しっかりとしたスモーキーなピート。
飲むと香り通りの煮詰めたプラムやチェリーのコンポート、ヘザーハニー、しぼりたてのブドウジュース、高級家具。余韻には嫌みのないピートや焦がしカラメルが続き、素晴らしく濃厚でジューシーだが嫌味がない。
 
オークニー諸島の中心の島メインランドMainlandにあるハイランドパーク。州都カークウォールKirkwallの外れにある高台にある蒸留所がハイランドパークで、スコットランド本土最北のウルフバーンよりも北に位置し、スコットランド最北の蒸留所と言われています。
1798年にはマンシー(マグナス)・ユウンソンの密造所があり、その高台(High Park)にいちしていたことから、当時High Park of Rosebankと呼ばれ、息子の代まで続いていましたが、閉鎖を余儀なくされ、1813年にはHighland Parkが創立しました(High Park of RosebankはKirkwall蒸留所として知らていました)。
19世紀後半には有名な銘柄となり、現在エドリントン・グループが運営しております。
特筆すべきはフロアモルティングを行っている蒸留所であることと、オークニー諸島の気候が寒冷であり、大きな樹木が育たないところであることから、ヘザーなどが堆積してできたピートを用いていることでしょうか。アイラはナナカマドや樺、スカイ島はヘーゼルナッツの木が堆積したものと言われており、この原料の違いが独特のフレーバーが作っているのかもしれません。
さて、このボトルですが、2004年に日本向けにリリースされたボトルで、正規輸入で入荷してきました。お値段も当時1本10万円とかなり高価ですが、今回かなりの安価で提供いただけたので少しテイスティングしてみました。
 
香りから思わず果肉をかじっているような、フレッシュで濃厚なチェリーなどの果実香が広がりつつも、しっかりとハイパらしさが感じ取れます。飲むとこれも果実のコンポートのような重厚な甘味や、ぶどう、果実酒のニュアンスがありますが、濃厚でジューシーなのが特徴的でした。飲んだ量が少なくしっかりと評価出来ているわけでもないですが、こういうボトルも単純に好きなので、高評価を付けさせてもらいました。複雑さを求めるとちょっと違うのかもしれませんが、嫌味が全く無い濃厚なジューシーさというのは中々出会えるものでもなく、良いものを飲ませてもらいました。

BAR訪問 Bar kitchen @Fukuoka

たまにはBARの訪問記なども書いてみましょうか。

 

先日、福岡に出張がありましたので前々から伺いたかったバーキッチンさんに伺いました。

ホームバーのマスターや、知り合いの酒屋さんなどから、福岡に行ったら行っておくべきバーとして紹介はされていましたし、イベントでもマスターの岡さんにはお会いしたことがありましたので、行きたくて仕方がなかったのですが、やっと伺うことが出来ました。

元々久留米でBARをされていたようで、数年前に現在の所へ移転。

イチローモルト カードシリーズの抜栓イベントなどでは、日本のみならず、香港などのアジアでのウイスキーラヴァーにも人気だったようで、現在は海外のドリンカーも訪れるようです(実際自分が伺ったときも、海外のお客さんが来られていました)。

最近ではモルト・ドリーム・カスク秩父 for Kitchen、通称グレンキッチンもかなりフルーティーの強い好評のモルトだったと記憶しています(記事にしていないので、そのうち再度テイスティングします)。

気合を入れて訪問しましたが、気合を入れすぎたのか、調子に乗ってハーフで21杯飲んでしまいました。しかし体調も万全の状態で飲めたのは幸運で、いやはや素晴らしいBARでした。

以下自分の飲んだボトルを簡単に紹介です。テイスティングは殆どしていませんので、ほぼ一言紹介だけになりますが、キッチンさんの凄さが伝わればと思います

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まずは優しめのモルトから戴きました。

ムーンインポートより、スペイサイドの1995-2010。優しめの加水ボトルで、嫌味もなく美味しかったです。

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エイコーンさんのフレンズオブオークより、1981のロッホサイド。加水ですがキャンディーや綿菓子のような甘味がなんとも美味しい、飲みやすいモルトでした。

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お次は76のインペリアル。フルーティーで染み入るような

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76コンバルモア。少し枯れたニュアンスも出てきていますが完全に伸びているわけではなく、いい方向に振れている美味しいモルトでした。

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76のタレット。経験上、大まかに甘味の目立つタイプとしっかりとしたスパニッシュオークのシェリー感がしっかりしたタイプの2系統あると思いますが、これは後者のタイプで美味しかったです。

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そろそろ60年台は…ということでOMCのフェッターケアン。自然と度数が落ち、Natural cask strengthでのボトリング。濃厚で華やかな香味が素晴らしいです。

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TWA&ネクターの66トマーティン。76に代表的なトロピカルなトマーティンとは対象的にトロピカル感はあまりなく、重厚な麦感のボトルが多い印象ですが、これは自分の飲んだことがある60sトマーティンの中でも、厚みのある美味しい長熟シェリーのフルーティーさがあり、素晴らしいモルトでした。

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ドイツのボトラーからの76トマーティン。トロピカルの感じる76トマですが、シェリー熟成で程よいタンニンの乗った76トマで、自分の好みのものでした。鉄板ですがやはり美味しいですね。

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ライフシリーズより、70ロセス。

40年熟成ですが、樽に負けないしっかりとした麦感があり、ものすごくバランスの良いモルトでした。素晴らしいロセスでした。

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マクファイルズ飲み比べ。2010年ころのリリースとのことで、逆算すると50年前は1960年…もしかすると50年台の原酒も入っているかもしれません。加水ですがあまりそれを感じさせない美味しさがありました。

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ピアレスの68マッカラン。やっぱりこの頃のマッカランは美味しいですね。恐らくシェリーホグスヘッドじゃないかと思うような果実香があり、美味しいです。

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ストラスアイラ。この頃のストラスアイラって本当に美味しいです。ピアレスらしい嫌味のないフルーツ感。もっと早くモルトを知ってこの頃のモルトをガツガツ飲みたかった…

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65ロングモーン。60年代のロングモーンって本当に美味しいですよね。G&Mのこれも、ケルティックなどにも匹敵するほどの美味しさでした。

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ケルティックラベルの66グレンリベット。ケルティックも色々ありますが、飲んだことがないこのリベットを戴きました。本当に美味しいです。

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67のハイランドパーク。発売当時10万円という凄いボトルですが、本当美味しかったです。後日記事にします。

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77のアードベッグ。ここまで飲み進めても嫌味のない染み入るようなフルーティーさ。70年代のアードベッグらしい、素晴らしいモルトでした。

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昨日ブログ記事にしました、ラフロイグ21年。飲めていませんでしたが飲んでびっくりしたボトル。買っておけばよかったと後悔しています。

malt.hateblo.jp

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現ハンターレイン、当時ダグラスレインだったアンドリュー・レイン訪問時のボトルらしいです。89ビンテージは飲んだことありませんでしたが、この時期らしいフルーティーさがしっかりと感じられます。

 

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ラストはドイツ向けの、変わったカスク(失念しました)のボウモアのハンドフィルド良いボウモアでした。

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一日で飲みすぎましたが…この後また飲みに行くとは…笑

しかし本当に素晴らしいバーでした。岡さんありがとうございました。

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まだまだ飲みきれていない、沢山のボトルを飲みにまた伺いたいです。

ラフロイグ 21年 OB 200th記念ボトル for FoL 48.4%

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評価:S
香りはマンゴー、グレープフルーツのわた、ココナッツ、ビワ、アーシーさと奥から磯っぽさとスモーク。
飲むとグァバジュース、パイナップルなどの強いトロピカル感に、土っぽく少しミネラルなニュアンス、しぼりたてのグレープフルーツジュース、しっかりとしたコク、少し魚介だしと程よいピート。
 
 
ラフロイグのバイセンテナリーのときに発売された、フレンズ・オブ・ラフロイグ向けのボトル、ラフロイグ21年です。
ラフロイグは2015年に創立200年を迎え、その記念ボトルとして、15年、16年、21年、カーディス200th、32年などのラインナップをリリースしていました。21年はフレンズ・オブ・ラフロイグ会員限定だけのリリースで、結構高額だった記憶があります。21年だけ飲めずじまいだったのですが、今回機会があり、ようやく飲めたボトルでした。
 
飲んでみると、フレーバーから強烈なマンゴーなどの南国フルーツのトロピカル感、麦の感じもしっかりとあり。90年代前半のトロピカル感を彷彿とさせます。自分が過去に飲んだOMC10周年記念の93ラフロイグのようなトロピカル感を感じたのですが、そんなレベルではない、素晴らしく強烈でしっかりとしたトロピカルフレーバーが印象的でした。
かなりしっかりとした香味ですが、この強烈なトロピカルは、開線直後から出てきた香味とも考え難く、改善後の変化で開いたために美味しくなったウイスキーと考えます。おそらく、開線直後は麦のニュアンスやオイル、ナッツなどのニュアンスが多かったのではいのかなーと妄想してました。
 そんなことは置いておいて、バイセンテナリーの名に恥じない、良いウイスキーでした。
 
今回、福岡に行く機会があり、そこで板台たウイスキーのうちの一杯です。後日まとめようかと思いますが、素晴らしいバーでした。

スコッチユニバース ボヤージュ 1 ブレンデッドモルト(ティースプーン:グレンフィディック)ファーストフィル・コート・ド・ボーヌ ワインバリック 1997-2016

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評価:A+

香りはりんごや白ブドウのジュース、厚みのある野暮ったい麦感、生木のような樽香。
飲むと洋梨やチェリーのワインゼリー、塩茹での落花生、強めのスパイス、木のエグみ。余韻はスパイシーで、焙煎した甘みのないカカオフレーク。
 
スコッチユニバース社より、ボヤージュシリーズ、ブレンデッドモルトですが所謂ティースプーンモルトです。昨年よりリリースが始まった新興ボトラーで、ラベルに暗号のような英数字の羅列があるのが特徴です。
今回は、231° U4.1 1886.2 TSと記載されています。インポーターメッセージなどからは以下のようになっているようです。

**°:熟成月数
  P・L・U:ピートの濃度(P>L>U)
  *1桁目:カスクタイプ(1:バーボン、2:シェリー、他:その他)
  *2桁目:カスクフィル数
  ****.*":蒸留所の歴史

 つまり、231ヶ月熟成(19年)、アンピーテッド、カスクタイプは四番、カスクフィルはファーストフィル、蒸溜所は1886年2月に創業した蒸溜所、TSはティースプーンで良さそうです。ここから、グレンフィディックであることがわかります。

また、1st fillのコート・ド・ボーヌ、ワインバリックであることも記載されています。

コート・ド・ボーヌとはブルゴーニュワインの生産地の一つのようです(この辺りは全然詳しくありません)。ワインバリックはワイン樽のことを指し、通常225L(コニャックにおけるワインバリックは300Lという記載もありましたが、確かなことはわかりません)、ブルゴーニュワインの伝統的なサイズは228Lとのことで、恐らく樽のサイズとしては225Lまたは228Lであると推測されます。白か赤かはよくわかりませんが、色味的にはブルゴーニュの赤ワイン樽での熟成でしょうか。

グレンフィディックといえば、シングルモルトの売上世界一の有名モルトで、バルヴェニー、キニンヴィー、アイルサベイをも所有するグラントファミリーの有名蒸溜所です。業界シェアもディアジオペルノ・リカールにつづいて第3位と、家族経営としては異例の規模を誇る蒸溜所です。ウオッシュバックはオレゴンパイン製、またボトリング設備や熟成庫、クーパレッジもあることから、仕込から出荷まですべて同一施設で可能という、スコットランドでは珍しい(むしろ日本に近い?)設備の充実さを誇っています。

今回、持ち寄った際に偶々開ける機会がありましたので、後日自宅で飲んでみました。

前情報が多いこのボトルですが、実際の中身はと言うと、今時のカスクフィニッシュものなどにありがちな味付け感はありますが、比較的出来の良いモルトです。フィディックっぽいかと言われるとちょっと自分にはわからず、また樽香が強いので好き嫌いが分かれそうですが、これぐらいなら自分は好印象ととっても良い範囲です。
開けたてでまだスパイシーさが強いですが、グラスでの時間経過でちゃんとこなれていきます。これ系は苦手な人は苦手でしょうが、ボトラーズにありがちといえばありがち。突き抜けた素晴らしいボトルというとアレですが、たまに飲むには面白く、比較的よく出来ています。家飲みにはちょっと適さないかもしれませんが、バーなどにあったら頼んでみても良いような気がします。