コンバルモア 1981 ゴードン&マクファイル コニッサーズ・チョイス
セント・マグデラン 1979 19年 レアモルトシリーズ 63.8%
評価:A++
2017/4/20のクレイジージャーニーが凄すぎた件。
何かホイホイ的なタイトルですが、ホイホイタイトルで自分が伝えたい事がより多くの人に伝わるなら、まあそれで良いでしょう。
さて、昨日放送された、クレイジージャーニーという番組の件です。
モルトラバーの人にはもはや説明不要と思いますが、モルトを知らない人にも知ってほしかったり、逃していた人にもみる価値があるなと思い、記事にでもしておこうかなと思います。
敢えてリンクは張りませんが、検索すれば動画は出てくるようですね。
クレイジージャーニー、2015年よりダウンタウンの松本人志さんらをメインとして、世界をめぐるクレイジーな人々を紹介して行く番組のようです。
今回のゲストは目白田中屋の栗林幸吉氏。言うまでもなく日本を代表する酒屋さんです。サマローリを最初に引っ張ってきたのも栗林さんと伺ったことがあります。
栗林さんについて知りたければ、こちらのインタビュー記事が参考になるかと。
Whisky Concierge – ウイスキーコンシェルジュ 香りのある暮らし » Blog Archive » 単独インタビュー第13弾 2011年末特別企画 「目白田中屋 栗林氏を迎えて(1)」
自分はホームバーのマスターが「神様」と言っていたのをいつも聞かされており、今でも田中屋に行くと心拍数が上がる人間です。笑
まあそれは置いておいて、本当に素晴らしい内容でした。
以下ネタバレです。
今回のスコットランドツアーは、アイラ島をぐるぐる周り、アードナムルッカンに行くという計画。
まず、ボウモア蒸留所。こちらでフロアモルティングから蒸留までの工程を全部説明しています。地上波でこんなにちゃんと説明しているのが素晴らしいです!
フロアモルティングの映像がしっかりと映っていたり、そこに栗林さんの解説が入る…それだけでも贅沢な番組だなと思うのですが、とにかく栗林さんが嬉しそう。
お酒を飲んでハッピーになっている、作り手を見てハッピーになっている。
若干冷ややかな目で見る構成でしたが、目の前にある事象をみて、そこに感動し、その喜びを伝えられる素晴らしさってあると思うんです。栗林さんって地でそういうハッピーさを出す人なんだな、と、ちょっと自分は見る目が変わったほどでした。
その後、アードベッグ、ラフロイグ、カリラを周り、キルホーマンに行き、ブルイックラディで占める。
ジム・マッキュワンが出ていたのには驚きでした。偶然なのか仕込みなのかわかりませんが、そんなのどうでも良くなる素晴らしさ。
次の日にはアードナムルッカンへ。
アデルフィの協力だったり、ウォッシュバックが特殊なことには触れていませんでしたが、それでも映像でアードナムルッカンが見れるとは思っていませんでした。
ニューポットも素晴らしいんでしょうね。樽を即買いされていてビックリしました。それでも100数十万で買えるのなら安いのかもしれません。俄然興味がわく蒸留所です。
樽に書いたサインは、恐らく“No Whisky, No Life”かなーと想像します。良い締まり方でした。
その後、スタジオで試飲。
開けるきっかけを作っていただいて…という言葉が印象的でした。
最初に言っていた、「ウイスキーは時間を飲んでいる」「本では臭いとか音とかってわからない」「作り手の熱意を届けたい」という言葉や、1963のマッカランを「開けるきっかけを…」というように、お酒に対して敬意を持って接する態度には凄く感心しました。
こうやって、色々なモルトを飲む機会があって、色々な飲み手の方々と繋がる機会がふえましたが、本当にどうしてと思うのが、一流のモルト好きって素晴らしい人格者の方々が多いのか?としみじみ思います。くだらん感情に流されずに、目の前にあるモルトをもっと好きになれるように、またその奥にある人々により敬意を持てるような飲み方をしていきたいですね。
本当にいい番組でした!
ハイランドパーク 1967-2004 47.5% #10197
評価:S+
BAR訪問 Bar kitchen @Fukuoka
たまにはBARの訪問記なども書いてみましょうか。
先日、福岡に出張がありましたので前々から伺いたかったバーキッチンさんに伺いました。
ホームバーのマスターや、知り合いの酒屋さんなどから、福岡に行ったら行っておくべきバーとして紹介はされていましたし、イベントでもマスターの岡さんにはお会いしたことがありましたので、行きたくて仕方がなかったのですが、やっと伺うことが出来ました。
元々久留米でBARをされていたようで、数年前に現在の所へ移転。
イチローズモルト カードシリーズの抜栓イベントなどでは、日本のみならず、香港などのアジアでのウイスキーラヴァーにも人気だったようで、現在は海外のドリンカーも訪れるようです(実際自分が伺ったときも、海外のお客さんが来られていました)。
最近ではモルト・ドリーム・カスクの秩父 for Kitchen、通称グレンキッチンもかなりフルーティーの強い好評のモルトだったと記憶しています(記事にしていないので、そのうち再度テイスティングします)。
気合を入れて訪問しましたが、気合を入れすぎたのか、調子に乗ってハーフで21杯飲んでしまいました。しかし体調も万全の状態で飲めたのは幸運で、いやはや素晴らしいBARでした。
以下自分の飲んだボトルを簡単に紹介です。テイスティングは殆どしていませんので、ほぼ一言紹介だけになりますが、キッチンさんの凄さが伝わればと思います
まずは優しめのモルトから戴きました。
ムーンインポートより、スペイサイドの1995-2010。優しめの加水ボトルで、嫌味もなく美味しかったです。
エイコーンさんのフレンズオブオークより、1981のロッホサイド。加水ですがキャンディーや綿菓子のような甘味がなんとも美味しい、飲みやすいモルトでした。
お次は76のインペリアル。フルーティーで染み入るような
76コンバルモア。少し枯れたニュアンスも出てきていますが完全に伸びているわけではなく、いい方向に振れている美味しいモルトでした。
76のタレット。経験上、大まかに甘味の目立つタイプとしっかりとしたスパニッシュオークのシェリー感がしっかりしたタイプの2系統あると思いますが、これは後者のタイプで美味しかったです。
そろそろ60年台は…ということでOMCのフェッターケアン。自然と度数が落ち、Natural cask strengthでのボトリング。濃厚で華やかな香味が素晴らしいです。
TWA&ネクターの66トマーティン。76に代表的なトロピカルなトマーティンとは対象的にトロピカル感はあまりなく、重厚な麦感のボトルが多い印象ですが、これは自分の飲んだことがある60sトマーティンの中でも、厚みのある美味しい長熟シェリーのフルーティーさがあり、素晴らしいモルトでした。
ドイツのボトラーからの76トマーティン。トロピカルの感じる76トマですが、シェリー熟成で程よいタンニンの乗った76トマで、自分の好みのものでした。鉄板ですがやはり美味しいですね。
ライフシリーズより、70ロセス。
40年熟成ですが、樽に負けないしっかりとした麦感があり、ものすごくバランスの良いモルトでした。素晴らしいロセスでした。
マクファイルズ飲み比べ。2010年ころのリリースとのことで、逆算すると50年前は1960年…もしかすると50年台の原酒も入っているかもしれません。加水ですがあまりそれを感じさせない美味しさがありました。
ピアレスの68マッカラン。やっぱりこの頃のマッカランは美味しいですね。恐らくシェリーホグスヘッドじゃないかと思うような果実香があり、美味しいです。
ストラスアイラ。この頃のストラスアイラって本当に美味しいです。ピアレスらしい嫌味のないフルーツ感。もっと早くモルトを知ってこの頃のモルトをガツガツ飲みたかった…
65ロングモーン。60年代のロングモーンって本当に美味しいですよね。G&Mのこれも、ケルティックなどにも匹敵するほどの美味しさでした。
ケルティックラベルの66グレンリベット。ケルティックも色々ありますが、飲んだことがないこのリベットを戴きました。本当に美味しいです。
67のハイランドパーク。発売当時10万円という凄いボトルですが、本当美味しかったです。後日記事にします。
77のアードベッグ。ここまで飲み進めても嫌味のない染み入るようなフルーティーさ。70年代のアードベッグらしい、素晴らしいモルトでした。
昨日ブログ記事にしました、ラフロイグ21年。飲めていませんでしたが飲んでびっくりしたボトル。買っておけばよかったと後悔しています。
現ハンターレイン、当時ダグラスレインだったアンドリュー・レイン訪問時のボトルらしいです。89ビンテージは飲んだことありませんでしたが、この時期らしいフルーティーさがしっかりと感じられます。
ラストはドイツ向けの、変わったカスク(失念しました)のボウモアのハンドフィルド良いボウモアでした。
一日で飲みすぎましたが…この後また飲みに行くとは…笑
しかし本当に素晴らしいバーでした。岡さんありがとうございました。
まだまだ飲みきれていない、沢山のボトルを飲みにまた伺いたいです。
ラフロイグ 21年 OB 200th記念ボトル for FoL 48.4%
スコッチユニバース ボヤージュ 1 ブレンデッドモルト(ティースプーン:グレンフィディック)ファーストフィル・コート・ド・ボーヌ ワインバリック 1997-2016
評価:A+
**°:熟成月数
P・L・U:ピートの濃度(P>L>U)
*1桁目:カスクタイプ(1:バーボン、2:シェリー、他:その他)
*2桁目:カスクフィル数
****.*":蒸留所の歴史
つまり、231ヶ月熟成(19年)、アンピーテッド、カスクタイプは四番、カスクフィルはファーストフィル、蒸溜所は1886年2月に創業した蒸溜所、TSはティースプーンで良さそうです。ここから、グレンフィディックであることがわかります。
また、1st fillのコート・ド・ボーヌ、ワインバリックであることも記載されています。
コート・ド・ボーヌとはブルゴーニュワインの生産地の一つのようです(この辺りは全然詳しくありません)。ワインバリックはワイン樽のことを指し、通常225L(コニャックにおけるワインバリックは300Lという記載もありましたが、確かなことはわかりません)、ブルゴーニュワインの伝統的なサイズは228Lとのことで、恐らく樽のサイズとしては225Lまたは228Lであると推測されます。白か赤かはよくわかりませんが、色味的にはブルゴーニュの赤ワイン樽での熟成でしょうか。
グレンフィディックといえば、シングルモルトの売上世界一の有名モルトで、バルヴェニー、キニンヴィー、アイルサベイをも所有するグラントファミリーの有名蒸溜所です。業界シェアもディアジオ、ペルノ・リカールにつづいて第3位と、家族経営としては異例の規模を誇る蒸溜所です。ウオッシュバックはオレゴンパイン製、またボトリング設備や熟成庫、クーパレッジもあることから、仕込から出荷まですべて同一施設で可能という、スコットランドでは珍しい(むしろ日本に近い?)設備の充実さを誇っています。
今回、持ち寄った際に偶々開ける機会がありましたので、後日自宅で飲んでみました。