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ウイスキーラヴァーの日常

シングルモルト、ウイスキー好きのサラリーマン(20代)が、ウイスキーを通じて感じたこと、思ったこと、考えたことなどを綴るブログです。

インペリアル 1995 18年 ザ・テイスター 56.2%

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評価:A++
香りはオレンジ、洋梨、生クリーム、ハニーシロップ、ベイリーフ、オイリー、チャーした樽、少しジンジャー。
飲むと厚みのある麦感・強いコク、オレンジ、ハニーシロップ、焦がした樽、バニラ、余韻は焦げのある樽感、タンニンやスパイシー。

 

スコッチモルト販売のテイスターシリーズより、吉村氏セレクトのインペリアル 1995年です。

ヴィクトリア女王在位60年を記念し、1897年に設立されたインペリア蒸留所。ダルユーイン蒸留所の第二蒸留所として、トーマス・マッケンジーによる設立ですが、奇しくも設立3年後の1900年には操業停止、1925年にはDCL社に吸収合併という運命を辿ります。子会社のSMD社が運営してましたが、1985年に操業停止、89年にはアライド・ディスティラリー社に売却され、操業再開されましたが、98年ころには再度蒸留停止、2005年にシーバス・ブラザーズ社が買い取り、閉鎖としています。その後跡地にはダルムナック蒸留所が建設されています。今月スコットランドに行った方の写真の中に、グレンファークラスの貯蔵庫にダルムナックの原酒が眠っている写真がありました。ファークラスの貯蔵庫が大きいため、貯蔵庫の貸出もしているためにファークラスにおいてあったようですが、いずれにしてももう操業は開始されているようですね。

さて、テイスターシリーズはお馴染みの吉村氏。日本を代表する著名なテイスターによるセレクトということで、95インペリアルの中でも飛び抜けたボトルを詰められました。しっかりとしたバーボン樽熟成のウイスキーで、ここまで質の高い出来もそうそう無いと思います。今回飲んだ際は、若干焼けた樽感が気になって評価を下げましたが、これは飲むタイミングの問題だと思いますので、もう少し早く飲めばそこまで樽感が目立たずに寄り美味しく戴けたのかな、とも想像します。大変美味しいインペリアルでした。

クライヌリッシュ 1989-2009 ザ・チェスシリーズ「クイーン」 54.0%

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評価:S
香りはアプリコット、オレンジオイルなどの複雑な果実香、バニラカスタードクリーム、麦の甘い香り。
飲むと口当たりはクリーミー、キャンディや糖度の高い野菜、アプリコット、オレンジ、陶酔感のある柔らかな麦の甘味、ワクシー、程よくスパイシーなウッディネス。

 

信濃屋のチェスシリーズより、クライヌリッシュ1989年、2009年ボトリングです。

現在のクライヌリッシュは1967/1968年頃に拡大工事の一環で建てられたもので、旧クライヌリッシュはブローラと名付けられました。当時DCLはカリラ・マノックモア・クライゲラキと改装を立て続けに行っており、このガラス張りの建築様式をWaterloo Streetと呼ばれています。

6基のスチルがあり、全てガス直火で行われ、2011年からは24時間体制で稼働しているとのことです。

さて、このシリーズは信濃屋さんのプライベートボトル・シリーズである、チェスシリーズの第5弾です。噂によると元々6本シリーズだったけれども、某ボトルのボトリングの都合で10本になったとかならないとか…とにかく、プライベートボトル10周年という今年に、10本目のチェックメイトをリリースし完結しました。キングホワイト/ブラック、チェックメイトはゲットが中々難しかったと思いますが…。

 

さて、このボトルですが、アプリコットやオレンジオイルといった何とも言えない複雑な果実香や、砂糖や野菜といった、単なる果実的ではない甘味や、粘性の高いテクスチャーがあり、バランス良くまとまっており素晴らしいボトルでした。89-90年代前半は、スリーリバーズ等様々なヌリッシュがあり、評判が良いものも多い印象ですが、これも例外ではないと思います。さすがのチョイスでした。

このボトルを戴いたBar Nadurraさんは、今回チェスシリーズを全部開けられたようです。全部飲めてはいませんが、また東京に訪れた際には戴きたいと思います。ご馳走様でした。

ハイランドパーク ニューメイク スピリット・ドリンク 2010年ボトリング 50%

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評価無し

ニューメイクの若々しいアルコール、トゲトゲしさや蒸した野菜のようなサルファリー、角砂糖。
飲むとニューメイクらしい生臭いニュアンスはあるが、サトウキビのような穀物感と共にしっかりとした甘みを感じる。

 

ちょっと番外編になりますが、物珍しいものがありましたのでご紹介。ハイランドパークのニューポット、2010年ボトリングです。

ご存じとは思いますが、スコッチウイスキーの定義の一つとして、スコットランドでの3年以上の熟成が言われています。そのためスピリッツ扱いでありスコッチウイスキーとは呼べないのですが、ニューポット、ニューメイクとして稀にリリースされることがあります。正直嫌な要素もありますが、熟成による変化を知るためにも、こういうリリースは勉強として重要なのかなーと思います。最近では、厚岸蒸留所のニューメイクをいただく機会があり、その出来の良さに大変驚き感動した覚えがありますが、ハイランドパークという自分の好きな蒸留所でのニューメイクはどうなのか、気になるところでした。50%と加水と思われますが、簡単にテイスティングしてみました。

香りはさすがにニューポット感が強く、荒々しい刺激的なニュアンスや、蒸した野菜のような香りもあります。おそらく硫黄化合物の香りがあり、熟成により樽に吸収される不純物になるのでしょう。

飲んでみると意外にも強い甘みがあり、所謂ヘザーハニーなどと呼ばれる独特の香味の元になるものなのかもしれません。たくさんの香味すら取れませんでしたが、不思議とこのままでも頂ける素晴らしい原酒でした。

 

 

オーヘントッシャン ディスティラリーカスク 2005-2017 59.8% #135


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評価:A+

香りはダークチェリー、プラム、アップル、レーズン入りのチョコレート。
飲むとダークチェリー、アメリカンコーヒー、ナッティ、シナモンチュロス、嫌みのないレベルでのウッディネス。余韻はスパイシーで厚みがある。

 

オーヘントッシャンより、蒸留所限定のディスティラリーカスクです。2005年蒸留の12年もののPXカスクというなかなか市場では見かけない珍しいスペックです。お世話になっているバーのマスターがつい最近までスコットランドに行っており、現地で仕入れてきたので、早速いただきました。

 

飲んでみるとダークチェリーやプラムといった果実感や、シナモンやビーンズといったらしい要素が色々と感じられます。短熟ですがしっかりと仕上がっており、まとまりもあり複雑さもしっかりとあります。以前記事にした1992のオーヘントッシャンとも似たようなニュアンスもあり、オーヘントッシャンのシェリー熟成はこういうニュアンスが多いのかもしれないな、と思いながら飲んでいました。

 

前回の記事でも話題にしましたが、オーヘントッシャンは現在でも三回蒸留を行っております。短熟でも仕上がりがいいのはその影響かもしれませんね。オーヘントッシャンディスティラリーカスクは良いものが多いと聞いていましたが、流石のナイスチョイスなカスクでした。

 

宮城峡2000's 蒸留所限定 57%

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評価:A

塩漬けにした林檎、ハニーシロップ、バニラ、塗装のしていない家具、香ばしいモルティな香り。
飲むとバナナ、ほんのりとプラム、熟成感はあまりなくスパイシー、バニラ、スナックモルトのような香ばしく軽い麦のニュアンス。

 

宮城峡蒸留所原点販売である、宮城峡2000'sです。
1969年にニッカウヰスキーの第2蒸留所として設立された宮城峡ですが、一昔前までは様々な蒸留所限定販売のボトルが売っていたようです。その時期には余市しか行ったことがなかったですが、有料試飲コーナーと販売コーナーが複数あったり、原酒が5年から20年まであったりと、今思うと夢のような空間でしたが、当時は高くて小さいボトルしか買えなかった記憶があります(酒に一万出すこと自体がありえないように当時は思っていました)。

その後、原酒不足で原酒シリーズは販売終了、代わりに出てきたラインナップが1980's、1990's、2000'sというバッティングした形でのリリースでした。シングルモルトでそれぞれリリースしていましたが、今となってはこのシリーズも2000'sしかなく、本当に在庫が厳しいのだろうと勘ぐってしまいます。

このボトル、実際には2000年~2009年原酒のバッティングということで、ロットをちゃんと確認しているわけではないですが、今年生産されたとして、8~17年程度の原酒が使われていた計算になります。

香味ですが、全体的に素朴な香味で、特に取り立てて特筆すべきところもないといえばない原酒ですが、嫌味のないプレーンな原酒は宮城峡らしさがわかりやすく、下手に樽感が効いているボトルよりもよっぽど好印象で、蒸留所限定品のチョイスがこれということも頷ける、宮城峡のハウススタイルを感じられるいいボトルだと思います。ニッカウヰスキーにとって、今は厳しい時期だと思いますが、徐々に原酒量も回復していってほしいものです。

ブナハーブン 1998-2016 17年 SMWS 2nd Fill Sherry Butt 55.8% "10.85"

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評価:A
香りは、レーズン、オイリー、しっかりめのサルファリー、養命酒、少し磯っぽさ、燻した青魚。
飲むとかなりスパイシーでちぐはぐ、プルーン、潮っぽさ、強く煮出した小魚の出汁、魚油、サルファ、オイリー、強めのスパイシー。
 
 SMWSより1998年蒸留のブナハーブンです。ソサエティと言えば会員制のボトラーズブランドで、最近ウイスク・イーからソサエティ・ジャパンに変わったことなどで、愛好家の中でも話題に事欠かない(そうなってしまった?)ボトラーズです。スペックに印象を左右されないようにと、蒸留所名は伏せられ、数字でナンバリングされたボトルが印象的です(日本法人になって、蒸留所名は出されてアルコール度数出されなかったりと、ちょっとバタバタしているようですが、時期に落ち着くでしょう…)。とは言え実際にはコード一覧が至る所で散見されており、「SMWS コード 一覧」などで検索すれば何のボトルか大体分かります。
 
 今回はそこから10.85という、ブナハーブン蒸留所を取り上げます。1998年蒸留のブナハーブンはあんまり見たことがアリませんので、それだけでも中々珍しいなと思いますが、ブナシェリーらしくいい色をしてるんですよね。どんなブナか気になっていました。
 飲んでみると、というか飲む前からサルファーがしっかりと…うーん、サルファはあんまり得意じゃありません。ブナハーブンらしい磯っぽさや魚油っぽいニュアンスもありますが、全体的に紹興酒養命酒のようなハーブ感のあるニュアンスに、飲んでも若干チグハグな印象が否めませんでした。
自分はあまり好みのものではなかったですが、経年変化でどうなってくのでしょうか。また海外ではミーティーということで許容範囲なんでしょうかね?気になる所です。
 

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このボトルは、知人のモルトラヴァーから戴きました。他にも様々なボトルのテイスティング、大変ありがとうございました!

 

オーヘントッシャン 1991 24年 50.9% シェリーホグスヘッド セレブレーション・オブ・ザ・カスク #2953

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評価:A+

香りはレーズン、カラメル、魚の煮付け、カルダモン、紹興酒、優しいウッディネス。
飲むとライトで優しく、べっこう飴、ココアパウダー、深煎りのコーヒー、やや強めのウッディネス。余韻はビーンズの香ばしさやスパイシー。

 セレブレーション・オブ・ザ・カスクシリーズより、1991のオーヘントッシャンです。

オーヘントッシャンと言えば、ローランドの伝統である3回蒸留を行っている数少ない蒸留所で、ローズバンク亡き今となっては、全てを3回蒸留としているのはこちらだけではないかと思われます。3回蒸留ではより純度の高いアルコールが得られるため、ライトでマイルドな個性のモルトが出来ると言われています。1984年にモリソンボウモア社が運営していましたが、1994年には他蒸留所とも同じく、サントリーの所有蒸留所です。

このボトルですが、今年の秩父ウイスキー祭で気に入ったボトルの一つでした。早速1本買ったのですが、飲んでみるとかなりオーキーでこんなんだったっけなあ…という印象。あのときは飲み過ぎていたので味がわかっていなかったんじゃないかと思っていました。

開けて3ヶ月程経ち、経過をみるために飲んでみると、樽の渋みはかなり消え、ライトですが嫌味のないシェリーの香味が乗っており、自分好みのものに変化していました。もしかするともっとシェリーが前面に出てくるかもしれませんし、じっくりと今後の変化をみていきたいと思いました。

オーヘントッシャンのきれいな原酒の良さと、アメリカンオークと思われるシェリー樽で熟成された、シェリーの乗り具合が丁度良い、バランスの取れた飲みやすいボトルだと思います。万人に受けるものとも思っていませんが、個人的にはこういうモルトはもう少し評価されても良いんじゃないかと思っています。