ウイスキーラヴァーの日常

シングルモルト、ウイスキー好きのサラリーマンが、ウイスキーを通じて感じたこと、思ったこと、考えたことなどを綴るブログです。

マッカラン18年 1985 2000年台上旬リリース

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MACALLAN 18 year old 1985
Official
43% 750mL

評価:S

香りはレーズンウイッチ、ダークグレープの果汁、リッチなシェリー、カラメル、バニラ、少し腐葉土のようなアーシーさ。
飲むと香り通りの枝付きブドウ、アプリコット、バター、腐葉土、リッチでコクがあるが粘性はあまりなく、余韻はブドウのニュアンスが儚く消える。

マッカラン18年、1985ビンテージが多く使われているようですので、逆算して2000年代上旬のリリースかと思われます。
実はこのボトル、ホームバーにてブラインドで出されまして、そのときに書いたテイスティングコメントが上です。アーシーさを伴う加水のできの良いシェリカスク、おそらくシーズニングシェリーという印象で、近年で言えばフープ向けのグレンファークラス2008からスパイシーな感じを引いたような香味でした。

ドロナック、グレンファークラス、昔のマッカランあたりが候補に浮かびましたが、加水でこれだけまとめてきているボトルを考えると、マッカランやドロナックな印象。自分の中でグレンファークラスの加水は90年代流通であってもコシがなかったりバランスが悪かったりすることがある印象なので、ファークラスは除外して考えましたが、やはりドロナックでは加水でこのボトルに近いニュアンスを出すものを想起できず、まあマッカランなのかなと。まさかこれを出題されているとは思わず、80年代~90年代前半のボトラーズのマッカランなどかな?と答えましたが、正解はこちらだったようです。ブラインドは得意じゃないですが、ここまで答えられたら今の自分としては合格点なのかなと思っています。

さて、飲んでいるときにはかなり上質な「シーズニングシェリー」と思ってましたが、シーズニングシェリーとすればかなりいいカスクだと思います。現状はほとんどのシェリカスクは、現実はシーズニングシェリーによるシェリカスクのようなものを使用しているわけで、本物のシェリーが詰められていたソレラシステムの樽はほとんど払い出しされない、というのはウイスキー好きの皆さんならばご存知のことかと思いますが、なんとこの時期のマッカランは裏面に堂々とシェリカスクの作り方が書かれています。

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ヘレスでオーク樽を買い付け、シェリーを吟味して満たし、ボデガに2年熟成させて、空樽をスコットランドに運び熟成…これまさしくシーズニングシェリーの作り方ですよね。まあこれだけ大量に生産されていたので、シーズニングであることはそうだろうと思いますし、非難しているわけではないですが、堂々と書くのもどうかと…

しかし2年熟成させているならかなり期間は長いように感じます。下の記事ではファークラスは半年と書いていますし。シェリー樽に関しては様々な立場の方が様々なことを仰っていますが、ウイスキーラヴァーにとって無くてはならない存在であることは間違いないでしょう。個人的には近年のファークラスなどにも似たようなニュアンスを感じるのが印象的でした。現行マッカランはこの年代あたりと比べられて随分…と言われるようになり久しいと思います。蒸留所が建設されても樽次第でどうなるかわからないですが、この年代を漁るのも大変になってきましたし、クオリティが上がってきた近年リリースに期待するのもいいように思います。

 

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