ウイスキーラヴァーの日常

シングルモルト、ウイスキー好きのサラリーマン(20代)が、ウイスキーを通じて感じたこと、思ったこと、考えたことなどを綴るブログです。

レッドブレスト 1991 25年 シングルポットスチル 53.0%

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Midleton Distillery Redbreast Aged 25 Years for Celebrating the 60th anniversary
for La Maison du Whisky 
Single Pot Still All sherry single cask 53.0%

 

評価:A ++~S
香りは皮付きブドウ、アプリコット、プラムジャム、オレンジムース、穏やかな麦、ナッツ、オイル、バニラ、奥に少し出汁感やタールっぽさ。
飲むと香り通りの果実感、しっかりとした麦、カラメル、クランベリージュース、少しスパイシー、少し華やかな麦感とコク、しっかり目のウッディネス。余韻はウッディネスが強く、ドライでスパイシー。

 

フランスの酒販店、ラ・メゾン・ド・ウイスキー(LMDW)の60周年記念ボトルの一つ、レッドブレスト1991 25年熟成です。

 レッドブレストは元々ダブリンのボウストリート蒸留所で生産されていたウイスキーですが、1971年にボウストリートは閉鎖され、1975年より、新ミドルトン蒸留所で製造することになったウイスキーです。1990年代に後述する運営会社のIDGがこのライセンスを取得するのですが、これを機に少しアイリッシュウイスキーの歴史を辿っていきましょう。

 

 元々19世紀から20世紀には一斉を風靡したアイリッシュウイスキー。ダブリンでは1780年にボウストリート蒸溜所が設立されてから、1791年にジョンズレーン蒸溜所(パワーズ蒸留所)。1799年にマローボーンレーン蒸溜所等の大規模な蒸留所の設立が相次ぎました。1757年創業のトーマスストリートと併せ、この4つの蒸留所をダブリンのビック4と呼ぶようになったほどでした。しかし、WWII以降にこの状況は変化していきます。ブレンデッドウイスキーの誕生、アイルランド独立戦争による大英帝国諸国からのアイリッシュウイスキーの締め出し、WWII以降でのアメリカでのスコッチウイスキーの消費拡大(アイリッシュ国内需要を優先し、スコッチが輸出を優先したことや、禁酒法による粗悪な偽アイリッシュが広まったことなどが原因とされています)などにより、アイリッシュウイスキーは衰退の一途を辿り、1950年代に多くの蒸留所が閉鎖に追い込まれました。

 1966年には、現存していたジェムソン・ジョンズレーン・コークディスティラリーズカンパニー(CDC)が合併し、United Distillers of Ireland Ltd.が誕生、後にIDC:Irish Distillers Companyとなります。生産も集約化することになり、ダブリンの中心街にあったジェームソンとジョンズレーン蒸溜所は、拡張の余地もなかったため、1975年、ミドルトンに新蒸溜所が建設されました。その後、IDCブッシュミルズも合併して、IDG:アイリッシュディスティラリーズ・グループとなるのですが、ペルノ・リカール社が1988年にIDGを買収、2005年にはブッシュミルズディアジオ社へ売却し、現在の流れに至ります。

 

前置きが長くなってしまいましたが、そうした流れで近年復活が言われているアイリッシュです。レッドブレストは現行レギュラーで手に入るモルトでは唯一のポットスチルアイリッシュウイスキーですし、その点でもアイリッシュらしいんだろうなあと思ってしまうのは自分だけではないはずです。

一応アイリッシュウイスキーの分類を再掲しておきます。

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malt.hateblo.jp

 さて、飲んでみると近年シェリー系の味わいですが、皮付きブドウやオレンジムースといった、少し乳酸菌のようなニュアンスもあり、プラムジャムのような甘いジャム感も奥からほんのり香ってきます。結構樽感も強いのでそこで好き嫌いは分かれそうですが、自分は中々好きな香味です。ブッシュミルズ、76トマーティンやベンリアックなどにありがちなケミカル感も伴っていますが、その割にはそこそこ麦感もあり、複雑さに寄与しているとも言えるかと思います。

賛否両論あるようですが、普通に美味しいウイスキーだと思いますし、スコッチにはあまりないこのニュアンスは、ハマる人にはハマるんじゃないかと…特に関西圏で人気が出そうな印象です。評価を付けるのも難しいですが、個人的にはS付けたいところですけど、客観的には現時点でそこまでの評価を得られないんじゃないかなあと言うのが正直なところです。ただ、経年変化でプラムジャムのようなベッタリとした甘味が前面に出てくるかもしれませんね。瓶熟させておいても良いのかもしれません。今後も楽しみなボトルでした。