ウイスキーラヴァーの日常

シングルモルト、ウイスキー好きのサラリーマンが、ウイスキーを通じて感じたこと、思ったこと、考えたことなどを綴るブログです。

ブナハーブン 1988-2016 28年 single malts of scotland 46.8%

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評価:A++
香りはミントキャンディ、華やかで嫌みのない麦感、ハニーシロップ、クリーミーで甘い、バタースコッチ、僅かに海苔のような磯の香り。
飲むと厚みのある麦の甘味やコクが華やかに口の中に広がり、白い花、マカダミアナッツ、クリーミーでオイリー。わずかに樽の引っかかりやブナっぽいエグミ、紙っぽさ。
余韻は長くリッチ。
 
スペシャリティドリンクス社より、シングルモルツ・オブ・スコットランドシリーズの1988年蒸留の28年ものです。
 
 ブナハーブンアイラ島の北東、アスケイグ港より4kmほど北の海岸にある蒸溜所で、1881年にロバートソン&バクスターのウィリアム・ロバートソンが、オールドパーなどで有名なグリーンリースブラザーズ社の協力を得て、1881年Islay distilleriesとして創立した蒸溜所です。当時結構な未開な土地だったようですが、ロバートソン&バクスター社が、当時のカリラのオーナーだったバロックレイド社との関係が深く、丁度カリラの改築の時期だったようで、そのこともありこのアスケイグの地を選んだようですね。蒸溜所の建設にあたっては、メンバーの宿舎や周辺の道路も整備したようで、現在宿舎の一部などをビジターセンターとして使用しています。
 
水源はマーガディル川、スタオイシャ湖で、上流から水をパイプラインで引いているためピートの含有が少なくなっているのが特徴です。
1883年に1stスピリットの蒸留を行い、また1887年にはIslay distilleriesがグレンロセスと合併してHighland Distilleriesとなり、以後Highland Distilleriesが運営していました。
スコッチ需要の高まった1963年には、1対だったポットスチルが2対になり、同時期にモルティング施設は撤去されています。1987年頃には年間300-400万リットルの生産量を誇っていましたが、2002年ころは75万リットルまで減少しました。原酒不足に悩まされるのはこれからかもしれません。
Highland Disilleriesは1998年にエドリントングループの傘下になり、Highland distillersという名称で運営されていました。カティーサークやフェイマスグラウスなどにも使われていましたが、2003年4月にはトバモリーやディーンストンを所有しているBurn Stewart Distillersに買収、現在はブラックボトルのキーモルトになっています。2013年にはバーンスチュワートディスティラーズが、南アフリカのDistell Group(ディステル社)に買収され、現在同社の所有となったのは記憶にあたらしいところです。
 
Single Malts of Scotlandシリーズを展開しているスペシャリティドリンクス社は、1999年にUKのウイスキーショップ、The Whisky Exchangeのスキンダー・シンにより開かれたボトラーズで、Single Malts of Scotlandシリーズ以外にも、Elements of Islay、Whisky Trail、Port Askaigなどのシリーズを手掛けており、高品質のボトルが多い印象です。
 
さて、このボトルはサンプルを頂きましたが、香りからはモルティさやナッティさ、またミントキャンディとしましたが、キシリトールのような人工甘味料的な甘味を感じました。桃っぽさとインポーターコメントにはありましたが、このことかもしれません。飲むと厚みのある麦の香味やナッティさを感じ、ブナらしいエグみもそこそこに感じ、結構高品質なブナハーブンでした。ちょっと樽感はありますが、1988ビンテージも中々良いボトルが多いですね。