ウイスキーラヴァーの日常

シングルモルト、ウイスキー好きのサラリーマンが、ウイスキーを通じて感じたこと、思ったこと、考えたことなどを綴るブログです。

ファーランイール(ラガヴーリン) 1993-2004 55%

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FUARAN ILE
1993-2004 55% cask strength
Ian Macleod & Co. Ltd
Classic limited islay vintage edition 
Bourbon cask
No.66 of 312

評価:A++

香りはしっかりしたヨードと磯っぽさ、ピート、バニラ、オレンジ、魚油、乾いた木。
飲むとパワフルなピート、潮、ヨード、オレンジ、バニラ、ナッツ、余韻はウッディネス。

イアン・マクロードよりドイツ向けのアイラモルト、ファーラン・イールです。ゲール語でアイラの泉という意味のようですが、中身はラガヴーリンと言われています。自分のような新参者には当時のウイスキー事情はわかりかねますが、マスター曰く、結構人気で数年前からオークションなどでもすぐに落札されていたブランドと聞いています。開栓されて何度か飲みましたので掲載します。

ボトリング後10年とは思えないほどのヨードや磯っぽさに、ナッツや魚油のようなオイリーなニュアンス。カスクストレングスらしい力強い味わいです。そこまで複雑さは感じませんでしたが、美味しいアイラ・モルトのど真ん中を行くような味わいで、ついつい飲みたくなってしまうモルトでした。

 

ボウモア 1997 ブラックアダー シドニーラベル 58%

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BOWMORE CASK STRENGTH 1997 18yo 58%
BLACKADDER Sidney label

評価:A++

香りはオレンジピール、桃、パッションフルーツ、バニラ、心地良い麦感としっかりしたピート、少し塩素。
飲むとオレンジ、パッションフルーツ、パワフルな麦感、どっしりとしたピート、パッションフルーツ、磯や塩素のニュアンス、程よいウッディネス。

2015年の年末に阪急の英国フェアのときに頒布され、その後輸入元のガイアフローでも一部販売されたブラックアダーのシドニーラベルのボウモアです。O/Tがものすごく少ないボトルでしたが、意外と知られていなかったのか、数時間は売れ残っていた記憶があります。1本買って保管しているんですが、知人からサンプルをいただく機会に恵まれましたので、テイスティングしてみました。

www.gaiaflow.co.jp

90年台後半のボウモアと言わんばかりのフルーツ感とピーティーなニュアンスで、樽感もきつくなく、原酒の良さが際立っている、一言で言うなら良い90年代後半ボウモアだと思います。

昔聞いた噂ですが、このボトル、本当はもっと長期熟成用に取っておく予定が間違って売却され、買い戻しをオファーしたときは既にボトリングされていた、という話を聞いたことがあります。真偽はわかりませんが、たしかにそう思えてしまうようなクオリティで、自分はもう少し寝かせてさらにこなれてくるのを待つこととします。

グレンバーギー 15年 バランタイン シングルモルト

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Glenburgie 15 year old

評価:A+
香りはカスタード、焦がしカラメル、バニラ、チェリーコーラ、削りたての木材。
飲むとバニラ、カスタードクリーム、ハニーシロップ、焦がした木材、木のタンニン、ミント、コーヒービーンズ。余韻はスパイシー。

前回に引き続き、バランタインシングルモルトシリーズのグレンバーギーです。個人的にはグレンバーギーは好きなボトルなので、期待して飲んでみました。

こちらも樽の影響が強いのか、バニラやハニーシロップのニュアンスに木のニュアンスが結構強く感じられました。フルーツ感がこちらの方が強く、チェリーコーラ(ドクターペッパーのようなあれです)のようなニュアンスも感じました。どちらもアメリカンオークとのことで、そのニュアンスが出てきているのかもしれません。あくまで推測ですが、どちらも樽感が強いのは、ブレンデッド用に元々クセのない原酒を仕入れていて、その溢れた在庫なのかなあ、などと思ったりしています。出処はどうであれ、個人的にはこちらの方が楽しい一杯となりました。

 もちろんどちらも現在の高騰した市場において、比較的良心的なリリースですし、あまりシングルモルトを飲みなれていない方はこの樽感よりもグレーン感のない力強さを優先的に拾うような気もしています。モルトを飲みなれていない方々がどういう反応を示すか気になるリリースでした。

 

ミルトンダフ 15年 バランタイン シングルモルト 40%

 

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評価:A
香りはハニーシロップ、クリーム、バニラ、厚みのある麦、焦げた木。
飲むと水飴、バニラ、焦げた木、カスタード、香草やシナモンなどのスパイス。余韻はスパイシー。

サントリーからのニューリリースである、バランタインからのシングルモルトのリリース。加水40%のモルトですが、15年でも比較的安価なリリースとなっており、界隈でも普段はシングルモルトをあまり飲まないと思われる方々も購入している姿を見分けるなど、気になっている方が多いという印象があります。

今回はミルトンダフとグレンバーギーという、普段オフィシャルで出ることのないキーモルトがリリースされ、シングルモルトブームを意識したと思われる意欲的なリリースだなあと思いました。よく行くバーでたまたま入荷したとのことで、話題に乗っかり、飲んでみることとしました。

ミルトンダフから飲んでみましたが、麦感やクリームなどのモルティな要素を感じつつも、焦げた木材のようなニュアンスが印象的でした。比較的オフィシャルのテイスティングコメントに近い印象を受けましたが、シナモンというよりは香草、焦げ感が結構強い印象を受けました。個人的には強い焦げたニュアンスは得意ではないのですが、あくまで開けたての印象ですので、放置で個下疳がどうなるか気になるところです。どっちにせよ、価格を考えたらそんなに悪くはないリリースかなと思いました。

グレンカダム 1977-2009 ダグラスレイン オールド&レア

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Glencadam 1977-2009
32 Year Old
Bottler: Douglas Laing - Old & Rare Platinum Selection
54.9%

評価:S

香りは濃厚な麦、カスタードクリーム、アプリコット、上品な木香、バニラ。
飲むと香り通りのパワフルでかみごたえのある麦、スパイス、バニラビーンズとカスタード、高級家具。

オールド&レアシリーズより、1977のグレンカダムです。
2009年ボトリングですので、まだハンターレイン分社前のダグラスレインからのリリースになります。
昨年とある酒屋でプレ値で売られているのを見つけ、悩みましたが現在のモルトと比較して美味しいと見込んで買うこととしたボトルです。海外オークションでも£250くらいで落札されているのを見ると、これくらいが現在の価値なのかもしれません。

最近はグレンカダムのリリースもめっきりと減りましたが、91のハンターレインのリリースでは青りんごやシトラスといったフルーティーさが目立つカダムでした。一方で70年台のカダムは濃厚な麦感があるボトルが多い印象で、70年台のものは評価の高いものが多かったように思います。何個かはこのブログにも記載していますが、テイスティングしてみました。

飲んでみると思った以上にパワフルな口当たりで、カスタードクリームやバニラのニュアンスが強く出ていました。例えるならば皮をしっかり焼いたシュークリームのようです。ウッディさもかなり程よい感じで、楽しませてくれたカダムでした。

WLN前に記載予定でしたが、バタバタしてアップが遅れてしまいました。ブースに立ち寄ってくださった皆様、改めて有難うございました。

アンノック 1975-2005 30年 オフィシャル 50%

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Ancnoc 1975-2005 30year old official

評価:A+~A++
香りはパンケーキ、キャラメルフラッペ、オロロソシェリー、ドライベルモット、バニラ、やや強めのウッディネス。
飲むとフルーティーでライトなボディ。アプリコット、コーヒー、焦げたカラメル、ナッツ、バニラ、ウッディ。

 

ノックデュー蒸留所のオフィシャルブランド、アンノックより1975-2005です。
モルトをあまり知らない頃からアンノック16年が好きだったこともあって、何故かアンノックはストックが何本かあるのですが、その中でもこのボトルは自分の持ってる中でも古い方になります。

1975年蒸留の原酒をバッティングしてリリースされたボトル、最近アンノック22年やアンノック1975-2014などといった高額レンジのボトルも本国で発売されていますが、後者は8万ほどで販売されています。一度飲んだことはあるのですがややオーキーで、40年という熟成位年数に耐えられる原酒と考えたときに、ノックデューがそれに当てはまるのかちょっと考えてしまうようなボトルでしたが、こちらは30年ということもあり、期待をいい意味で裏切ってくれるのではないかと思い、今回抜栓してみました。

 

飲んでみると焦げ感のあるパンケーキやキャラメルといった印象に、オロロソ・シェリーやベルモットなどのブドウ感、飲んでみてもアプリコットや焦げたカラメルといった多層的なフレーバーが印象的でした。バッティングのためかやや樽感があったことはあったのですが、スタンダード品に見られるバリニック一辺倒とはまた異なり、バランスの良さが光るボトルと思いました。評価はもう少し高くても良いかもしれません。持っていくのもあって、少し気持ち厳し目に評価しているところがあります。

こちらのボトルもWhisky Lovers Nagoya 2018のHWCブースに持っていきますので、よければ試飲してみてください。

 

 

ストラスミル 1976-1999 マキロップチョイス 57.1%

 

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評価:A++
香りはハニーシロップ、黄色い花の花弁、バニラ、しっかりとした麦感。
飲むと濃縮された麦の旨味とコク、ハニーシロップ、角食パンの白いところ、少しフローラル、スパイス。

 

マキロップチョイスより、ストラスミル1976年、おおよそ20数年の熟成でしょうか。
マキロップチョイスはアンガスダンディー社のマキロップ氏の名を冠したシリーズで、アンガスダンディーといえばトミントールやグレンカダムを所有している企業ですが、どうやらバルクなども販売しているようで、おそらくバイヤーとしての側面もあるのかと思います。

この時代のマキロップチョイスは、グリーンケイデンやレアモルトのようなプレーンなモルトが多い印象ですが、これも例に漏れず、そういう雰囲気のモルトです。

99年ボトリングの後、18年ほど瓶熟されていることもあり、ナチュラルな甘味や濃厚な麦のコクがあり、また70年らしい麦の感じが楽しめるモルトでした。とりあえずレートをA++としておきましたが、人によってはもうちょっとレートが高いかもしれないなと思います。

典型的なしっかりした麦の香味を味わうプレーンなモルト。美味しくて安心しました。WLN2018にて頒布予定ですので、よければご賞味ください。