ウイスキーラヴァーの日常

シングルモルト、ウイスキー好きのサラリーマン(20代)が、ウイスキーを通じて感じたこと、思ったこと、考えたことなどを綴るブログです。

ボウモア 15年 OB for WHISKY SHOP W. 54.8%

 

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評価:A+~A++
香りは生木、ジンジャーシロップ、柿、スイカ、牡蠣の燻製のようなしっかりしたスモークと磯っぽさ。
飲むとジューシーでコクのある口当たり、トロピカルジュース、牡蠣の燻製、濡れた木材、余韻はピーティーやスパイシーで長い。
 
以前大阪にあった、サントリーセレクトショップ、WHISKY SHOP W.向けに詰められたボウモア15年です。2011年リリースで、2400本ほどのリリースだったようですが、2015年位まではネットショップに売られていて、1年半くらい前に各所で続けて話題に挙がったボトルだったと記憶しています。
あれから1年半、90年代のボウモアはすっかり影を潜め、WHISKY SHOP W.もなくなり、当然このボトルもSOLD OUTとなってしまいましたが、ご厚意で少し譲っていただく事が出来ました。
逆算すると95年程の原酒が使われているとのことで、実際に飲んでみると、らしいトロピカル感を感じますし、90年代前半と、しっかり目の香味がメインになってくる後半の過渡期にあるボトルなのかな、と(ボトルスペックを知っているからだとは思いますが)納得出来る香味でした。
 
ボウモアの香味は、ここ30年で言えば大きく4つに分けられるんじゃないかと思います。近年蒸溜のものはあんまり詳しくありませんが…
~80年代:パフューム時代
89~91年:パフュームと90年代前半らしいボトルの混在
90年代前半:93ボウモアに代表されるトロピカルなボトル
90年代後半:96-99年辺りはバランスの良いフルーティー(柑橘感)が目立ってくる
2000年以降:紙っぽさやオイリーが目立つボトルがある
 
このボトルは95年と中間に位置し、どちらかと言うとトロピカル感も感じられ、良いボトルですね。確かに買いと言われていたのも納得のボトルでした。評価は難しいところですが、この時期のボトルすらも貴重になってきており、甘めにつけてしまいたくなりますね。

クライヌリッシュ 1995 19年 アルテミス・リザーブド KINKO 57.3% 

 

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評価:A++
香りはこもった麦感、ワクシー、チェリー、オレンジ、バニラ。
飲むとワクシーだがリッチ、麦の甘み、バターとハニーをたっぷりのせたパンケーキ、やや強めの樽感、バニラ。
鹿児島を中心とした酒販、オーリックさんの洋酒部門、キンコーさんのオリジナルボトルのクライヌリッシュ、1995年です。ボトラーはアベイヒルのようです。最近アベイヒルからのリリースは殆どありませんが、最近ですとモルトヤマさんのPBもアベイヒルでしたね。
クライヌリッシュは1819年にブローラの町に設立した蒸留所で、1925年よりDCL社、現在はディアジオ系の所有となっています。
現在のクライヌリッシュは1967年に設立された第二蒸留所で、古い蒸留所はブローラと呼ばれていましたが、1983年にブローラは操業停止となっています。
60-70年代の窓の多い、当時のDCL社らしい外観ですが、特に70年代のクライヌリッシュや、近年だと95-97年あたりのリリースは多く、美味しいボトルも多い印象です。
またクライヌリッシュと言えばその独特のワックスの香味、ワクシー[waxy]が有名です。初留釜より再留釜の方が大きいのが要因と言われていたり、ネックやコンデンサーを掃除していないんじゃないか、という話もあったりしますが、いずれにせよこの独特の枠シーサがクライヌリッシュの魅力の一つだと思います
 
今回の95年のクライヌリッシュは、やや無骨で素朴な麦感があり、好印象のボトルも多い印象を持っています。
キンコーさんのボトルは、ゆっくりと置いておくと開くと説明されているボトルが多いですが、今回もそんな感じで20分ほどの放置を推奨されていますね。あまり気にせず飲んでしまいましたが…
香味からは、らしいワクシーが広がり、オレンジやシトラス、バニラといった分かりやすい香り、飲んでもワクシーでリッチな香味が好印象でした。樽感も含め、香味がしっかりと主張していますが嫌味ではなく美味しいレベルです。
分かりやすい美味しさが印象的な、らしいクライヌリッシュでした。

グレングラッサ 1973-1998 ザ・ファミリー・シルバー 40%

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評価:A++
香りは上質でうっとりするエステリー香、アプリコットやシェリー、キャラメル、ハニーシロップ。
飲むとやや粘性のあるテクスチャーで、アプリコット、アップルキャンディー、焦がしたカラメル、やや渋みのある樽感、甘みのないローストしたカカオ豆。
 
ザ・ファミリー・シルバーより、1998年ボトリングの73グレングラッサです。
おおよそ25年熟成といったところでしょうか。
 
グレングラッサはマレイ湾にある漁村ポートソイの近郊にある蒸留所で、当時地元の実業家であったジェームズ・モイアが1875年に設立しました。ポットスチル製造にはトーマス・ウィルソンを従え、家族経営で運営していましたが、1892年にロバートソン&バクスター社に売却を持ちかけ、ハイランド・ディスティラリーズ社に売却となりました。しかし1907-1960年、1986年~と創業停止となり、熟成庫のみが使われている時期のほうが長かった、流行に飲まれてしまった蒸留所と言っていいのかもしれません。
しかし2008年に前所長のスチュワート・ニッカーソンを中心とした投資家グループが買収、同年より操業再開となったのでした。
現在、リバイバルシリーズなど、不定期ではありますがニューリリースがいくらか出ておりますし、70年代のグラッサは今でも長熟グラッサとして時々目にする銘柄です。
 
このグラッサはおよそ20年前ほどのリリースということで、おそらくかなり経年変化を経て、テイストが変わっているのだろうと思いますが、アプリコットやシェリーといったエステリーなニュアンス、飲むとあまり甘みのない果実やカカオ豆を感じ、この頃のグラッサらしい飲みくちでした。ピークは過ぎているような気はしますが、十分70年代の余韻に浸れるモルトでした。

 

コンバルモア 1981 ゴードン&マクファイル コニッサーズ・チョイス

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評価:A+
香り 少し枯れたニュアンス、コニャック、黒糖、カラメル、わずかにソースのようなコク。
飲むと優しいシロップのような甘み、スパイシー、ココアパウダー、強めの樽感。
 
G&Mのコニッサーズ・チョイスより、コンバルモアの1981年です。リリース年はわかりませんが、17年物などが同じようなラベルで販売されておりましたので、だいたいそれくらいのリリースでしょうか。
 
コンバルモアはダフタウンにあった閉鎖蒸留所で、1894年操業開始のものでした。1909年に火災に遭い、その後一時連続式蒸留機でモルトを製造していたようですが、出来上がったモルトがぜんぜん違うものになってしまい、1915年には撤去され、元のポットスチルに戻ったという経緯があるようです。今では常識的に思えることですが、当時のはやりに乗っかったのでしょうか。
1920年代~1930年代にDCL社やSMD社の傘下に入り、例によって1985年に閉鎖してしまいます。その後ウィリアム・グラント&サンズ社が買収し、現在は熟成庫として使われているところになります。
 
あまりたくさんコンバルモアを飲んだ経験はありませんが、飲むとコニャックのような、少し枯れたニュアンスを感じ、香りは甘い感じが漂いました。飲むと単調でスパイシーさが否めませんが、経年変化で見えてきたものかもしれませんね。こういうらしい枯れ感のあるボトルも、たまに飲むには良いなあと思います。
 

セント・マグデラン 1979 19年 レアモルトシリーズ 63.8%

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評価:A++

香りは素朴でしっかりとした麦、スミレの花、土をかぶった根生姜、少し砂糖、プレーンカスクの樽感、生焼けした木。
飲むとスパイシーでドライ。辛口のジンジャーエール、少しハーブ、香り通りの樽感。
 
1979年蒸留のセントマグデラン、19年です。レアモルトシリーズのおすそ分けを戴きました。
セント・マグデランとは1797年に、ローランドのリンリスゴーに設立された蒸溜所です。元々リンリスゴーは名水で知られ、Glasgow for bells, Linlithgow for wells~という古典の詩があるようです。SMD社の傘下に入ったりとしましたが、DCLからディアジオ系列になり、他のローランドの蒸留所のように、1983年に閉鎖となりました。
 
セント・マグデランはあまり飲んだ記憶もなく、おそらく2回めくらいの経験かと思いますが、飲んでみるとレアモルトらしい、素朴でスパイシーなモルトでした。素朴な甘味があり、嫌味も少なく良いモルトなんですが、個人的にはコレ系のモルトテイスティングを書くのが特に苦手で…その分ゆっくりと堪能させていただきました。
もう少し置いておくと開くのかもしれませんが、どうなんでしょう。グラスで置いておくと、ハーブや生姜のようなニュアンスが印象的でした。たまにこのようなプレーンで上質なモルトを飲むのもいいですね。美味しいモルトでした。

2017/4/20のクレイジージャーニーが凄すぎた件。

何かホイホイ的なタイトルですが、ホイホイタイトルで自分が伝えたい事がより多くの人に伝わるなら、まあそれで良いでしょう。

 さて、昨日放送された、クレイジージャーニーという番組の件です。

 モルトラバーの人にはもはや説明不要と思いますが、モルトを知らない人にも知ってほしかったり、逃していた人にもみる価値があるなと思い、記事にでもしておこうかなと思います。

敢えてリンクは張りませんが、検索すれば動画は出てくるようですね。

www.youtube.com

クレイジージャーニー、2015年よりダウンタウン松本人志さんらをメインとして、世界をめぐるクレイジーな人々を紹介して行く番組のようです。

 今回のゲストは目白田中屋の栗林幸吉氏。言うまでもなく日本を代表する酒屋さんです。サマローリを最初に引っ張ってきたのも栗林さんと伺ったことがあります。

栗林さんについて知りたければ、こちらのインタビュー記事が参考になるかと。

Whisky Concierge – ウイスキーコンシェルジュ 香りのある暮らし » Blog Archive » 単独インタビュー第13弾 2011年末特別企画 「目白田中屋 栗林氏を迎えて(1)」

自分はホームバーのマスターが「神様」と言っていたのをいつも聞かされており、今でも田中屋に行くと心拍数が上がる人間です。笑

 

まあそれは置いておいて、本当に素晴らしい内容でした。

以下ネタバレです。

 

 

 

 

 

 

 

今回のスコットランドツアーは、アイラ島をぐるぐる周り、アードナムルッカンに行くという計画。

まず、ボウモア蒸留所。こちらでフロアモルティングから蒸留までの工程を全部説明しています。地上波でこんなにちゃんと説明しているのが素晴らしいです!

フロアモルティングの映像がしっかりと映っていたり、そこに栗林さんの解説が入る…それだけでも贅沢な番組だなと思うのですが、とにかく栗林さんが嬉しそう。

お酒を飲んでハッピーになっている、作り手を見てハッピーになっている。

若干冷ややかな目で見る構成でしたが、目の前にある事象をみて、そこに感動し、その喜びを伝えられる素晴らしさってあると思うんです。栗林さんって地でそういうハッピーさを出す人なんだな、と、ちょっと自分は見る目が変わったほどでした。

 

その後、アードベッグラフロイグ、カリラを周り、キルホーマンに行き、ブルイックラディで占める。

ジム・マッキュワンが出ていたのには驚きでした。偶然なのか仕込みなのかわかりませんが、そんなのどうでも良くなる素晴らしさ。

次の日にはアードナムルッカンへ。

アデルフィの協力だったり、ウォッシュバックが特殊なことには触れていませんでしたが、それでも映像でアードナムルッカンが見れるとは思っていませんでした。

ニューポットも素晴らしいんでしょうね。樽を即買いされていてビックリしました。それでも100数十万で買えるのなら安いのかもしれません。俄然興味がわく蒸留所です。

樽に書いたサインは、恐らく“No Whisky, No Life”かなーと想像します。良い締まり方でした。

 

その後、スタジオで試飲。

数種類のテイスティングに、1963年のマッカラン

開けるきっかけを作っていただいて…という言葉が印象的でした。

最初に言っていた、「ウイスキーは時間を飲んでいる」「本では臭いとか音とかってわからない」「作り手の熱意を届けたい」という言葉や、1963のマッカランを「開けるきっかけを…」というように、お酒に対して敬意を持って接する態度には凄く感心しました。

こうやって、色々なモルトを飲む機会があって、色々な飲み手の方々と繋がる機会がふえましたが、本当にどうしてと思うのが、一流のモルト好きって素晴らしい人格者の方々が多いのか?としみじみ思います。くだらん感情に流されずに、目の前にあるモルトをもっと好きになれるように、またその奥にある人々により敬意を持てるような飲み方をしていきたいですね。

本当にいい番組でした!

 

 

ハイランドパーク 1967-2004 47.5% #10197

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評価:S+

 
 
香りはなめし革、しっかりとした麦感、取れたてのチェリー、しっかりとしたスモーキーなピート。
飲むと香り通りの煮詰めたプラムやチェリーのコンポート、ヘザーハニー、しぼりたてのブドウジュース、高級家具。余韻には嫌みのないピートや焦がしカラメルが続き、素晴らしく濃厚でジューシーだが嫌味がない。
 
オークニー諸島の中心の島メインランドMainlandにあるハイランドパーク。州都カークウォールKirkwallの外れにある高台にある蒸留所がハイランドパークで、スコットランド本土最北のウルフバーンよりも北に位置し、スコットランド最北の蒸留所と言われています。
1798年にはマンシー(マグナス)・ユウンソンの密造所があり、その高台(High Park)にいちしていたことから、当時High Park of Rosebankと呼ばれ、息子の代まで続いていましたが、閉鎖を余儀なくされ、1813年にはHighland Parkが創立しました(High Park of RosebankはKirkwall蒸留所として知らていました)。
19世紀後半には有名な銘柄となり、現在エドリントン・グループが運営しております。
特筆すべきはフロアモルティングを行っている蒸留所であることと、オークニー諸島の気候が寒冷であり、大きな樹木が育たないところであることから、ヘザーなどが堆積してできたピートを用いていることでしょうか。アイラはナナカマドや樺、スカイ島はヘーゼルナッツの木が堆積したものと言われており、この原料の違いが独特のフレーバーが作っているのかもしれません。
さて、このボトルですが、2004年に日本向けにリリースされたボトルで、正規輸入で入荷してきました。お値段も当時1本10万円とかなり高価ですが、今回かなりの安価で提供いただけたので少しテイスティングしてみました。
 
香りから思わず果肉をかじっているような、フレッシュで濃厚なチェリーなどの果実香が広がりつつも、しっかりとハイパらしさが感じ取れます。飲むとこれも果実のコンポートのような重厚な甘味や、ぶどう、果実酒のニュアンスがありますが、濃厚でジューシーなのが特徴的でした。飲んだ量が少なくしっかりと評価出来ているわけでもないですが、こういうボトルも単純に好きなので、高評価を付けさせてもらいました。複雑さを求めるとちょっと違うのかもしれませんが、嫌味が全く無い濃厚なジューシーさというのは中々出会えるものでもなく、良いものを飲ませてもらいました。