BAR訪問 Bar kitchen @Fukuoka
たまにはBARの訪問記なども書いてみましょうか。
先日、福岡に出張がありましたので前々から伺いたかったバーキッチンさんに伺いました。
ホームバーのマスターや、知り合いの酒屋さんなどから、福岡に行ったら行っておくべきバーとして紹介はされていましたし、イベントでもマスターの岡さんにはお会いしたことがありましたので、行きたくて仕方がなかったのですが、やっと伺うことが出来ました。
元々久留米でBARをされていたようで、数年前に現在の所へ移転。
イチローズモルト カードシリーズの抜栓イベントなどでは、日本のみならず、香港などのアジアでのウイスキーラヴァーにも人気だったようで、現在は海外のドリンカーも訪れるようです(実際自分が伺ったときも、海外のお客さんが来られていました)。
最近ではモルト・ドリーム・カスクの秩父 for Kitchen、通称グレンキッチンもかなりフルーティーの強い好評のモルトだったと記憶しています(記事にしていないので、そのうち再度テイスティングします)。
気合を入れて訪問しましたが、気合を入れすぎたのか、調子に乗ってハーフで21杯飲んでしまいました。しかし体調も万全の状態で飲めたのは幸運で、いやはや素晴らしいBARでした。
以下自分の飲んだボトルを簡単に紹介です。テイスティングは殆どしていませんので、ほぼ一言紹介だけになりますが、キッチンさんの凄さが伝わればと思います
まずは優しめのモルトから戴きました。
ムーンインポートより、スペイサイドの1995-2010。優しめの加水ボトルで、嫌味もなく美味しかったです。
エイコーンさんのフレンズオブオークより、1981のロッホサイド。加水ですがキャンディーや綿菓子のような甘味がなんとも美味しい、飲みやすいモルトでした。
お次は76のインペリアル。フルーティーで染み入るような
76コンバルモア。少し枯れたニュアンスも出てきていますが完全に伸びているわけではなく、いい方向に振れている美味しいモルトでした。
76のタレット。経験上、大まかに甘味の目立つタイプとしっかりとしたスパニッシュオークのシェリー感がしっかりしたタイプの2系統あると思いますが、これは後者のタイプで美味しかったです。
そろそろ60年台は…ということでOMCのフェッターケアン。自然と度数が落ち、Natural cask strengthでのボトリング。濃厚で華やかな香味が素晴らしいです。
TWA&ネクターの66トマーティン。76に代表的なトロピカルなトマーティンとは対象的にトロピカル感はあまりなく、重厚な麦感のボトルが多い印象ですが、これは自分の飲んだことがある60sトマーティンの中でも、厚みのある美味しい長熟シェリーのフルーティーさがあり、素晴らしいモルトでした。
ドイツのボトラーからの76トマーティン。トロピカルの感じる76トマですが、シェリー熟成で程よいタンニンの乗った76トマで、自分の好みのものでした。鉄板ですがやはり美味しいですね。
ライフシリーズより、70ロセス。
40年熟成ですが、樽に負けないしっかりとした麦感があり、ものすごくバランスの良いモルトでした。素晴らしいロセスでした。
マクファイルズ飲み比べ。2010年ころのリリースとのことで、逆算すると50年前は1960年…もしかすると50年台の原酒も入っているかもしれません。加水ですがあまりそれを感じさせない美味しさがありました。
ピアレスの68マッカラン。やっぱりこの頃のマッカランは美味しいですね。恐らくシェリーホグスヘッドじゃないかと思うような果実香があり、美味しいです。
ストラスアイラ。この頃のストラスアイラって本当に美味しいです。ピアレスらしい嫌味のないフルーツ感。もっと早くモルトを知ってこの頃のモルトをガツガツ飲みたかった…
65ロングモーン。60年代のロングモーンって本当に美味しいですよね。G&Mのこれも、ケルティックなどにも匹敵するほどの美味しさでした。
ケルティックラベルの66グレンリベット。ケルティックも色々ありますが、飲んだことがないこのリベットを戴きました。本当に美味しいです。
67のハイランドパーク。発売当時10万円という凄いボトルですが、本当美味しかったです。後日記事にします。
77のアードベッグ。ここまで飲み進めても嫌味のない染み入るようなフルーティーさ。70年代のアードベッグらしい、素晴らしいモルトでした。
昨日ブログ記事にしました、ラフロイグ21年。飲めていませんでしたが飲んでびっくりしたボトル。買っておけばよかったと後悔しています。
現ハンターレイン、当時ダグラスレインだったアンドリュー・レイン訪問時のボトルらしいです。89ビンテージは飲んだことありませんでしたが、この時期らしいフルーティーさがしっかりと感じられます。
ラストはドイツ向けの、変わったカスク(失念しました)のボウモアのハンドフィルド良いボウモアでした。
一日で飲みすぎましたが…この後また飲みに行くとは…笑
しかし本当に素晴らしいバーでした。岡さんありがとうございました。
まだまだ飲みきれていない、沢山のボトルを飲みにまた伺いたいです。
ラフロイグ 21年 OB 200th記念ボトル for FoL 48.4%
スコッチユニバース ボヤージュ 1 ブレンデッドモルト(ティースプーン:グレンフィディック)ファーストフィル・コート・ド・ボーヌ ワインバリック 1997-2016
評価:A+
**°:熟成月数
P・L・U:ピートの濃度(P>L>U)
*1桁目:カスクタイプ(1:バーボン、2:シェリー、他:その他)
*2桁目:カスクフィル数
****.*":蒸留所の歴史
つまり、231ヶ月熟成(19年)、アンピーテッド、カスクタイプは四番、カスクフィルはファーストフィル、蒸溜所は1886年2月に創業した蒸溜所、TSはティースプーンで良さそうです。ここから、グレンフィディックであることがわかります。
また、1st fillのコート・ド・ボーヌ、ワインバリックであることも記載されています。
コート・ド・ボーヌとはブルゴーニュワインの生産地の一つのようです(この辺りは全然詳しくありません)。ワインバリックはワイン樽のことを指し、通常225L(コニャックにおけるワインバリックは300Lという記載もありましたが、確かなことはわかりません)、ブルゴーニュワインの伝統的なサイズは228Lとのことで、恐らく樽のサイズとしては225Lまたは228Lであると推測されます。白か赤かはよくわかりませんが、色味的にはブルゴーニュの赤ワイン樽での熟成でしょうか。
グレンフィディックといえば、シングルモルトの売上世界一の有名モルトで、バルヴェニー、キニンヴィー、アイルサベイをも所有するグラントファミリーの有名蒸溜所です。業界シェアもディアジオ、ペルノ・リカールにつづいて第3位と、家族経営としては異例の規模を誇る蒸溜所です。ウオッシュバックはオレゴンパイン製、またボトリング設備や熟成庫、クーパレッジもあることから、仕込から出荷まですべて同一施設で可能という、スコットランドでは珍しい(むしろ日本に近い?)設備の充実さを誇っています。
今回、持ち寄った際に偶々開ける機会がありましたので、後日自宅で飲んでみました。
ブルイックラディ 1992-2013 21年 エイコーン ナチュラル・モルト・セレクション 57.0%
評価:A++
香りは綿飴、オレンジ、バニラ、少しナッティ、しっかり
飲
エイコーンさんより、2013年ボトリングのブルイックラディ 1992年蒸留です。
1881年創立のブルイックラディですが、所有者は創立当初から転々とするなど、複雑な歴史を持った蒸溜所になります。1968年にインヴァーゴートン社が買い取り、1975年にはポットスチルを4つに倍増するなどの増築がありましたが、その後1980年代半ばに一時操業停止、1993年にはホワイトマッカイ社に売却、1995年~1998年には操業停止になるなど、不遇の時代も辿った蒸溜所です。99年ころよりジム・マッキューワン氏がマーレイ・マクダビッドがJBB社から買収し、2001年春に蒸溜所を完全リスタートさせました。リスタート後はピーテッドのポートシャーロットやオクトモアをはじめとする、意欲的なリリースが多くありました。2012年にはレミー・コアントロー社が買収しましたが、概ね今まで通りの方針を続けているようです。
さて、最近1980年代後半~1993年あたりの、一度操業停止から復活した当たりのボトラーズがポツポツとリリースされていますが、これもその一つ、エイコーンさんのボトルです。偶々池袋のセレクトショップで試飲して買った一本ですが、その次の日には有楽町でこのウイスキーの話題になっているなど、愛好家の中でも評価の高い一本だったようです。
先日開けましたのでテイスティングしましたが、かなり良くできたバーボン樽(と思われる)
以前飲んでいたウィルソン&モーガンのブルイックラディもかなり美味しかったのですが、これも負けじと、というよりこちらのほうが美味しいかもしれません。また飲み比べしてみようかと思います。
リトルミル ザ・ダンス 1990-2013 22年 54.0%
タリスカー 2008-2014 6年 ヘップバーンズ・チョイス 59.7%
週末は小旅行に行っていまして、記事を書く暇が全くありませんでした…。モルト旅行ならまだしも、週末は朝から夜まで運転手でしたので、飲む暇がまったくなく、食と仕入れに徹していました。
道中は下のブログに書くこととして、テイスティング記事をせっせとアップしていきます。
カネマラ 22年 46%
※2枚目の画像はAmazonより転載